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三宅島への行き方・アクセスは?
記事更新日: 2023-03-14
空と海の玄関を持つ三宅島
都会から遠く離れた海上に浮かぶ三宅島(みやけじま)は、「鳥の楽園」とも呼ばれる、豊かな自然を持つ島です。島の中心にある「雄山(おやま)」の噴火によって、鳥たちは幾度も平穏を奪われましたが、その鳴き声が完全に途絶えることはなく、現在も元気な姿を見せてくれます。
書類の上では同じ東京都に所属していても、23区(や周辺地域)から三宅島へは、自動車や鉄道で簡単に行くことはできません。調布市にある「調布飛行場」から飛ぶ飛行機と、港区の「竹芝客船ターミナル」を出港する大型客船のどちらかを使うことになります。
移動速度ではもちろん飛行機が勝りますが、大型客船にもメリットがあります。便数や料金など、さまざまな違いに注目して選んでみましょう。
方法1 大型客船
竹芝から伊豆七島方面へ向かう大型客船には、「竹芝~伊豆大島~神津島(こうづしま)」と「竹芝~三宅島~八丈島」という二つの航路があります。
伊豆大島行きは、(伊豆七島を北から南に見た時、三宅島よりも手前となる)神津島が終点となり、そこから(さらに南の)三宅島や八丈島へは行かないことにご注意ください。なお、島からの帰りの便は大島を経由することがあります。うまくタイミングが合えば、大島から高速なジェット船で帰ることも可能です。
三宅島には三つの港があります。真上から見ると3時の位置にある「三池(みいけ)港」と、8時の位置の「阿古(あこ)港」、そして10時の位置の「伊ヶ谷(いがや)港」です。
阿古港は「錆ヶ浜(さびがはま)港」と呼ばれることもあります。この三つの港の、どれを使用するかは船が島に近づいてから決定されます。三池港から西側の港までは、外周道路でどちらも10kmほど、伊ヶ谷港と阿古港の間は4kmほどです。
三宅島行きの大型客船は1日1便で、22時半という遅い時間に出発し、翌朝5時に到着する夜行便です(※島からの便は9時40分に出発し、19時40分または50分、あるいは20時45分に到着する昼行便です)。
船に乗っている時間は約6時間30分ですが、この中には睡眠時間も含まれますし、指定された席に座り続けているわけでもありません。八丈島まで一度に約600人の乗客を運べる巨大な船に乗り込み、その中で朝を迎えるという非日常を楽しんでいれば、思ったよりも負担を感じずにすむでしょう。
また、たとえば「土曜日の朝から観光開始」という計画を立てた場合、飛行機では到着が9時30分頃になりますが、大型客船なら(金曜日の夜に出発すれば)5時に到着できます。商店や観光地が本格的に動き始めるまで待つ必要はあるものの、島の空気を感じながら行動予定を練る余裕を持てるのは便利です。
とはいえ、やはり移動時間が長いのは事実です。これについては、どうがんばっても飛行機に勝つことはできませんが、交通費の安さという点では大型客船の圧勝です。
運賃は利用する船室のランクによって分けられていて、さらに乗船時期による違いがあります。たとえば2等の場合、6月は7,000円弱、7~8月は約8,500円です。さすがに特等や特1等は高めに設定されていますが、7~8月の1等は飛行機とそれほど変わりませんし、6等なら特1等も比較対象となります。
大型客船の時刻表(竹芝客船ターミナル→伊ヶ谷港・阿古港・三池港のいずれか)
東京 | 22:30発 |
三宅島 | 翌05:00着 |
大型客船の運賃(大人1名・片道)
10月 | 11月 | 12月 | |
2等 | 7,620円 | 7,890円 | 8,070円 |
特2等 | 11,430円 | 11,840円 | 12,110円 |
1等 | 15,240円 | 15,780円 | 16,140円 |
特1等 | 18,290円 | 18,940円 | 19,370円 |
特等 | 21,340円 | 22,090円 | 22,600円 |
東京からの片道所要時間:最短約6時間30分
方法2 飛行機
調布飛行場から三宅島までは180kmほど離れていますが、飛行機で直行する場合の移動時間は、1時間にも満たない約50分です(※搭乗手続きを出発の30分前までにすませる必要があるため、全体の所要時間は1時間をすこし超えてしまいます)。
便数も、「午前2便+午後1便」の1日3便が基本で、とても利用しやすくなっています。一部の曜日(※主に日曜日と水曜日)や特定の日は午前の便が減り、1日2便となることもありますが、減るのは最初の便ではなく2番目の便ですから、「朝から観光を始める」という予定が曜日によって不可能になることはありません。
飛行機が着陸するのは三宅島の東部にある「三宅島空港」で、近くには遊歩道が整備された「大路池(たいろいけ)」や、島の自然を紹介する「アカコッコ館」といった観光スポットを持つ森があります。
あえて飛行機のデメリットを考えるなら、搭乗する飛行機(※乗客19名+乗員2名のプロペラ機)も調布飛行場も小規模で、繁忙期には若干不安があることや、調布飛行場が最寄りの駅からバスやタクシーで10~15分と少々遠いこと、そして料金が安くはないことでしょう。
具体的には、片道で17,500円かかります。往復では割引されて31,900円(=片道15,950円)になるものの、大型客船と比較する際には、この点がもっとも気になるかもしれません。
【2023年10月1日~31日】
便名 | 調布発 | 三宅島着 |
401 | 08:40 | 09:30 |
405 | 11:30 | 12:20 |
407 | 14:20 | 15:10 |
【2023年11月1日~30日】
便名 | 調布発 | 三宅島着 |
401 | 08:40 | 09:30 |
405 | 11:10 | 12:00 |
407 | 13:50 | 14:40 |
【-】
便名 | 調布発 | 三宅島着 |
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飛行機の運賃(大人1名・片道):17,500円(※往復の場合は31,900円)
東京からの片道所要時間:最短約50分(※搭乗手続きは出発の30分前まで)
※本記事内の情報は、すべて2023年9月下旬時点のものです。
時刻表や運賃は今後変更される可能性があります。必ず、最新の情報をご確認ください。
様々なポイントを比較して、最適な方法を選ぼう!
大型客船での移動時間を「分」で表現すると、約390分という飛行機の8倍に近い数字になります。ですが、単純に移動の苦労が8倍になるわけではありません。一方、費用の点では、大型客船の2等は飛行機の(往復割引の)半額程度です。こちらは所要時間と違い、素直に比較できる要素です。
わかりやすい運賃の差に対して、判断のしづらい移動時間の違いを、「とても大きい・負担になる」と見るか、「それほどでもない」と見るかが、三宅島への交通手段選びの一つのポイントとなります。
また、「行動に余裕を作りやすい夜か、選択肢の広い朝~午後か」という出発時間の違いや、(定員の違いによる)予約のしやすさ、自宅から竹芝と調布へのアクセスといったことも重要です。
飛行機を利用する場合、朝発の便で三宅島へ来て、夕方発の便で島を出ることで日帰りも可能です。しかし、野鳥以外にも、三宅島には「新鼻新山(にっぱなしんざん)」のように噴火の影響を直接目にすることのできるスポットや、彼方にかすむ伊豆半島が見える「伊豆岬」といった魅力的な場所がたくさんあります。
多くのスポットを巡ったり、島を囲む海でのダイビングや釣りを満喫するには、やはり快適な宿が必要です。宿を含めて考えるなら、細かい航路や時刻表・運賃などの調査や、いくつもの予約の手間がいらない、旅行会社の三宅島ツアーも選択肢に入ってきます。
そうしたツアーもしっかりとチェックし、賢く、お得に三宅島旅行を楽しんでみてはいかがでしょう。