この記事を書いた人 トリッパー編集部
記事更新日:
八丈島への行き方・アクセスは?
記事更新日: 2019-07-02
八丈島への交通手段は飛行機と大型客船
八丈島は、国内だけでなく海外のダイバーからも愛されている「八丈ブルー」の海や、設置された階段で気軽に山登りが楽しめる「八丈富士」など、どこにいても自然の魅力をたっぷりと感じられる島です。
この島が浮かんでいるのは都心から南へ280~290kmほど離れた海上で、同じ約300km圏内には名古屋や新潟、仙台などがあります。交通機関の発達した現代では、それらの都市へ行くことは簡単ですが、道路や鉄道で結ばれていない八丈島へ行く方法は限られます。
その一つは、間に広がる海を渡る「大型客船」、もう一つは空を駆ける「飛行機」です。
大型客船の出発地点は港区の竹芝、飛行機は大田区の羽田と、どちらもアクセスの良い場所にあります。ですが、所要時間や料金など、それ以外の部分には大きな違いがあり、片方が絶対的に有利ということはありません。
それぞれ、どういった部分が優れていて、どこに問題があるのか、二つの方法の長所と短所を詳しくご説明します。
方法1 大型客船
八丈島は、ひょうたん(あるいは数字の「8」)を左に傾けたような形をしています。その「くびれ」の部分には、北に面する底土(そこど)港と、南に面する八重根(やえね)港という二つの港が存在します。
「竹芝客船ターミナル」を出発した大型客船がどちらの港に入るかは状況によって変わりますが、このくびれの部分の幅は5kmほどですし、港の間をほぼ直線で結ぶ道路もあります。予想と逆の港になったとしても、観光の予定に影響が出る可能性はまず無いと考えて大丈夫でしょう。
便数は1日1便で、22時30分発の夜行便となります。到着は翌朝の8時50分で、島内観光を始めるにはちょうど良い時間帯です。
所要時間は約10時間20分と長く、「自宅と島以外ですごす時間を最小限にしたい」という方にはおすすめできません。
しかし、睡眠や食事、八丈島観光の相談や準備など、船の中では必要なことをしているだけでも多くの時間を消費します。「夜の海を行く大型客船の中で、半日近くすごす」という珍しい体験を積極的に楽しもうとすると、むしろ自由な時間がたりないように思えてしまうかもしれません。
なお、竹芝から(三宅島・御蔵島を経由して)八丈島へ向かう航路は、竹芝から大島方面(神津島まで)への航路とは完全に別ですが、ゴールデンウィークや夏は、帰りの便が大島に立ち寄ります。
これにより、大島で1泊しての観光や、大島発のジェット船の利用など、旅行計画の幅を広げることができます。この帰りの便は、八丈島を9時40分に出発する昼行便です。
大型客船の運賃は利用する客室のクラスによって異なります。また、乗船時期による違いもあります。
最も豪華な特等は、6月でも片道約24,000円、利用者の増える7~8月は約3万円と費用もハイレベルですが、二等なら6月は約8,500円、7~8月も約11,000円です。その中間の選択肢も豊富で、「とにかく安く」から「特別な時間をすごしたい」まで、さまざまな要求に応えてくれます。
大型客船の時刻表(竹芝客船ターミナル→底土港または八重根港)
東京 | 22:30発 |
八丈島 | 翌08:55着 |
※途中で三宅島と御蔵島に立ち寄ります。
大型客船の運賃(大人1名・片道)
10月 | 11月 | 12月 | |
2等 | 9,550円 | 9,890円 | 10,110円 |
特2等 | 14,330円 | 14,830円 | 15,170円 |
1等 | 19,100円 | 19,780円 | 20,230円 |
特1等 | 22,290円 | 23,740円 | 24,280円 |
特等 | 26,750円 | 27,690円 | 28,330円 |
東京からの片道所要時間:最短約10時間25分
方法2 飛行機
八丈島へは、ANAの直行便が1日3便飛んでいます。出発地点は「羽田空港」、到着地点は島のほぼ中央に位置する「八丈島空港」です。
飛行時間は約55分。朝7時半に飛び立つ便は、8時半前には八丈島の大地に降り立ちます。島からの最後の便が17時すぎですから、日帰り観光も楽にできます。
ANAが使用しているジェット機には約500席のものから約120席のものまで、いくつかのサイズがありますが、羽田~八丈島間のジェット機の定員は166席(※朝の便の機種は166席+プレミアム8席)です。
120~140席の最小クラスのジェット機や、74席のプロペラ機よりは余裕がありますが、トップシーズンには満席となることも珍しくはありません。
通常の料金(※特に制限事項が無い「フレックス」)の、片道の最安値は19,700円で、空席状況によって25,600円まで上がります。
これはかなり高額ですが、普通に出発のすこし前に予約をするなら、搭乗日前日または3日前までが予約締切となる「バリュー」という選択肢があり、こちらは最安値が13,790円とお得になっています。
もし、かなり前から出発する日を正確に決めることができるなら、搭乗日の21~75日前が締切の「スーパーバリュー」が選べます。この場合の最安値は11,190円です。
しかし、これはあくまでも予約の少ない状態での最安値です。予約が増えてくれば、バリューの料金はどんどんフレックスに近づきますし((※「残り1席」のような極端な状況なら、フレックスとほぼ同じ金額にまで上がります)、スーパーバリューも同様に高くなっていきます。
利用者の多い7~8月は、週末の朝の便を中心に高額・満席の日が増えていきます。夏に八丈島へ飛行機で行く場合は、できるだけ早く出発の日を決め、予約を行うことをおすすめします。
飛行機の時刻表(羽田空港→八丈島空港)
【2023年10月1日~10月31日】
便名 | 機種 | 羽田発 | 八丈島着 |
1891 | 738 | 07:30 | 08:25 |
1893 | 738 | 12:15 | 13:10 |
1895 | 738 | 16:00 | 16:50 |
【2023年11月1日~12月31日】
便名 | 機種 | 羽田発 | 八丈島着 |
1891 | 738 | 07:30 | 08:25 |
1893 | 738 | 12:15 | 13:10 |
1895 | 32P/738 | 15:55 | 16:50 |
飛行機の運賃(大人1名・片道)
【2023年10月】
フレックス(通常運賃) | 24,270円~ |
バリュー | 17,970円~ |
【2023年11月】
フレックス | 24,270円~ |
バリュー | 17,970円~ |
スーパーバリュー | 14,370円~ |
【2023年12月】
フレックス | 24,370円~ |
バリュー | 17,970円~ |
スーパーバリュー | 13,570円~ |
※これは最安値であり、現実的には(特に朝の便は)1,000~3,000円ほど高くなることが多いです。
東京からの片道所要時間:最短約55分(※搭乗手続きは出発の20分前まで)
※本記事内の情報は、すべて2023年9月下旬時点のものです。
時刻表や運賃は今後変更される可能性があります。必ず、最新の情報をご確認ください。
旅行の目的や期間も選択のポイント
飛行機と大型客船の共通点は、「出発地点がアクセスしやすい場所にある」「到着地点が島内の便利な場所にある」「最も早い到着時刻が9時前」といったことです。
すぐに目につく違いは料金で、飛行機は大型客船(二等)より数千円から1万円ほど高くなります。
月単位でしか変化しない大型客船に対し、予約時期や空席状況で激しく料金が変動する飛行機には「正確な予算を考えにくい」という問題があり、さらに「トップシーズンは満席になりやすい」という問題もあります。
ある程度高くなるのは許せるとしても、満席になってしまえば飛行機という選択肢は失われてしまいます。くれぐれもご注意ください。
そのかわり、所要時間には10倍以上の差があります。2~3時間で山頂まで往復できる八丈富士のように、訪れる場所を絞り込んで計画を練っているなら、サッと行って帰れる飛行機での日帰り観光という楽な方法を選べます。
一方、きっちりとした計画を立てず、島全体(と、海での釣りやダイビングなど)を楽しむ予定なら、宿泊費用を増やすために、交通費を節約したくなるでしょう。その場合は大型客船がおすすめです。
こちらのパターンでは、往復の大型客船と宿を組み合わせた旅行会社の格安ツアーをチェックすれば、さらにお得な旅ができます。
それぞれの良さを比較して交通手段を決めたら、さっそく八丈島へと旅立ちましょう。「都立八丈植物公園」で鹿に似たかわいい動物「キョン」と触れ合い、眼の前に大海原が広がる「末吉(すえよし)温泉 みはらしの湯」でホッと一息。島の中ですごす、素朴でありながら優雅な時間は、あなたの心に静かな感動を与えてくれるはずです。