この記事を書いた人 トリッパー編集部
記事作成日:
夏の旅は高速バスで!-近畿・中国・四国・九州編-
記事作成日: 2021-06-25
心も熱く燃やしてくれるような陽気の中、海や山で思い切り身体を動かしたり、新たな土地での観光を楽しんだりと、夏の楽しみ方はいくつも考えられます。ただ、普段の休日の旅行よりも遠くへ遊びに行こうとすると、交通費が気になることも多いのではないでしょうか。
交通費を節約するためには、交通手段の見直しが必要です。新幹線や飛行機は速度が速い分、料金も道路を走る乗り物より高くなってしまいます。ですが、マイカーやレンタカーを選べば、長距離運転の負担という別の問題が出てきてしまいます。
目的地までの運転はプロにまかせつつ、費用はできるだけ安くしたいという願いに応えてくれるのは高速バスです。今回ご紹介するオリオンバスの東京発高速バスは、目的地が青森から福岡まで、幅広く設定されています。
この記事では、その中から滋賀・三重より西側の目的地を取り上げ、各地の夏の魅力をお伝えします。
岐阜県
岐阜の山中から始まり、県を貫くように流れる「長良(ながら)川」。ここで行われる「鵜飼(うかい)」は、岐阜の夏を語る際には欠かせないものです。西暦700年頃の資料にもその名が見られますから、今日までの歴史は実に1300年以上ということになります。
機械のように指示されるままに動くわけでも、人間のように言葉でコミュニケーションが取れるわけでもない鵜という生き物と協力して漁を成功させるのは、とても難しいことです。夏の川で私たちが目にするのは、その困難を共に乗り越える、鵜匠(うしょう)と鵜の強い絆なのです。
この長良川は、大きな花火大会の舞台にもなります。中日新聞社主催の「全国選抜長良川中日花火大会」と、岐阜新聞・岐阜放送主催の「長良川全国花火大会」は特に有名で、それぞれ7月の最終土曜日と8月の第1土曜日に、華麗な花を空に咲かせます。
養老の滝
夏もひんやりとした空気を感じる「養老(ようろう)の滝」は、日本の滝百選にも選ばれている美しい滝です。
この養老の地には、「親孝行な息子が山の中で不思議な泉を見つけ、酒のような泉の水が老いた父を癒やした」という伝説があります。その泉とされる「菊水泉(きくすいせん)」や養老の滝の水は、名水としてよく知られています。
新穂高ロープウェイ
国内には多くのロープウェイがありますが、2階建てのゴンドラが使用されているのは、現時点では「新穂高(しんほたか)ロープウェイ」だけです。終点は標高2,156m地点で、到着すれば全方向に広がる景色に圧倒されます。
移動中の眺めも素晴らしく、山を鮮やかに彩る夏の緑と、どこまでも続く青空との対比に目を奪われることでしょう。
三重県
伊勢参りは昔からの庶民の娯楽。「伊勢神宮(いせじんぐう)」を目指す当時の旅は、長い旅行記が書けるほど大変なものでした。座ってさえいれば自動的に目的地に到着する高速バスでの旅は、それとは比べ物にならないほど快適です。三重へ着くまでの間、当時の人々の旅の様子を想像してみるのもおもしろいでしょう。
伊勢神宮・内宮(ないくう)の入口となる「宇治橋(うじばし)」の下を流れるのは「五十鈴(いすず)川」。この川沿いには、玉石が敷かれた「御手洗場(みたらし)」があります。手前には「手水(てみず、ちょうず)舎(しゃ、や)」も用意されていますが、夏は川の涼しさが感じられる御手洗場にも足を運びたいところです。
気づかないうちに体力を消耗しやすい夏の観光では、休憩も大切です。「松阪牛(まつさかうし、まつさかぎゅう)」のような三重のおいしい食べ物で栄養を補給し、楽しい旅を続けましょう。
鳥羽水族館
「鳥羽(とば)水族館」は、約1,200種もの生物を飼育しているという、非常に規模の大きな水族館です。
この数字はもちろん日本一。人魚と結びつけて語られるジュゴンが飼育されているのも、現代の日本ではここだけです。興味深い展示の他に、アシカのパフォーマンスのような心が和む要素もあり、夏の暑さをしばし忘れることができます。
夫婦岩
三重の海の名所「夫婦岩(めおといわ)」。同じように夫婦岩や夫婦石と呼ばれるものは日本のあちこちにありますが、三重県伊勢市・二見興玉(ふたみおきたま)神社の夫婦岩は、昔から広く知られています。
注連縄(しめなわ)で強く結ばれた二つの岩に、さらなる魅力を与えるのは、夏の青い海。すぐ隣には「伊勢シーパラダイス」という水族館もあります。
滋賀県
滋賀県の地図の中で非常に広い範囲を占めるのは、日本最大の面積を誇る湖「琵琶湖(びわこ)」です。その大きさは約670平方kmもあり、まるで海のように感じる方も少なくありません。その貯水量も非常に多く、こちらも国内最大となっています。
そのため、周辺の地域では「生活を支える重要な水源」という印象も強いのですが、旅人目線で見れば、間違いなく滋賀の重要な観光地の一つと言えます。特に、じわじわと汗をかいてしまう夏の日には、涼しさを求めて積極的に訪れたいスポットではないでしょうか。
湖畔の散策や遊覧船など、夏の琵琶湖の楽しみ方はいろいろと考えられます。厳しい暑さに負けそうな時には、鳥居が湖の中にもある「白髭(しらひげ)神社」や、湖へ突き出す「浮御堂(うきみどう)」を持つ「満月寺(まんげつじ)」といった湖の周囲の寺社で気持ちを引き締めるのもおすすめです。
竹生島
琵琶湖には「竹生島(ちくぶしま)」「沖の白石(しらいし、しろいし)」「多景島(たけしま、たけいしま)」「沖島(おきしま)」という四つの島があり、船での島めぐりも行われています。
その中でも人気が高い竹生島の見どころは「宝厳寺(ほうごんじ)」と「都久夫須麻(つくぶすま)神社」で、心地よい湖のクルージングの合間に参拝を行うことができます。
比叡山 延暦寺
「比叡山(ひえいざん)」という言葉は、地形としての山そのものと、この山全体からなる「延暦寺(えんりゃくじ)」の両方に使われます。
延暦寺として見た場合の歴史的価値は非常に高く、世界遺産「古都京都の文化財」の構成資産の一つに選ばれるほど。さらに、山として、つまり夏の琵琶湖や京都を見渡せる展望スポットとしても評価されています。
京都府
見どころが多く、どの季節に訪れても楽しい京都ですが、夏はとても大きなイベントがあります。それは7月の初めから終わりまで1ヶ月間続く「祇園祭(ぎおんまつり)」です。
この期間中、特に注目したいのは7月17日の「前祭(さきまつり)」と24日の「後祭(あとまつり)」です。どちらの日も「山鉾巡行(やまほこじゅんこう)」と「神輿渡御(みこしとぎょ)」が行われます。
山鉾とは、いわゆる山車(だし)のこと。その名のとおり、鉾のようなものが立てられています。これは人間の争いに関係するものではなく、街の中の邪悪な存在をおびき寄せるためのもの。この山鉾が清めた街を、続いて神の乗り物、つまり神輿が進むという二段階の神事になっているわけです。
また、前祭・後祭の前の数日(※7月14~16日・21~23日)は、「宵山(よいやま)」と呼ばれ、前夜祭のような状況になります。この時「駒形提灯(こまがたちょうちん)」に照らされる山鉾は、とても幻想的です。
下鴨神社
世界遺産の構成要素の一つでもある「下鴨(しもがも)神社」の夏の注目ポイントは「御手洗(みたらし)祭」です。
毎年、土用の丑の日と、その前後に(※全体で5日間)行われているこの祭りの中心は、御手洗池に足をつけて無病息災を願う「足つけ神事」です。夏でも冷たい池の水は、暑さに負けがちな心や頭の良い刺激になります。
貴船川
「貴船(きふね)川」のある貴船は、京都の中心に比べて気温が5度以上下がることも多い、比較的涼しい地域です。
5月から9月にかけて、この川で見られるのは「川床(かわどこ)」と呼ばれるもの。これは川の上に設置された座敷で、流れる水や風が運んでくる冷気を感じながら、おいしい料理を楽しむことができるようになっています。
大阪府
大阪では毎年多くの夏祭りが行われますが、その中でも特に有名なのは「愛染(あいぜん)まつり」「天神祭(てんじんまつり、てんじんさい)」「住吉祭(すみよしまつり)」の三つです。
このうち愛染まつりは6月末ごろ(※7月1日を本祭とし、前後の1日を加えた3日間)のため、7月の24・25日の天神祭や、7月30日から8月1日にかけて行われる住吉祭に夏の旅行を合わせることが多いかもしれません。
もしタイミングがズレてしまったとしても、大阪には多くの観光スポットがあります。「食い倒れ」という言葉で知られる大阪の食文化を楽しみながら、気の向くままに進んでも、素敵な夏の思い出ができるはずです。
ひどく暑い日は、都市部を離れて自然の中ですごすということも考えられまし、大阪港や市内を流れる川でのクルージングで涼しさを感じることもできます。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
現代の大阪で遊ぶことを考えるなら、絶対に外せないのが巨大なテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」です。ここでは誰もが日常を忘れ、大好きな作品の世界に飛び込むことができます。
季節のイベントによって、園内の様子が大きく変わるのもおもしろいところ。今年の夏はどんなサプライズが用意されているのか、確かめに行きましょう。
海遊館
「海遊館(かいゆうかん)」は、8階建ての巨大な水族館です。
入館してすぐに目にするのは、3階にある水のトンネル「アクアゲート」。ここから最上部の「日本の森」まで、「瀬戸内海」や「日本海溝」、「グレート・バリア・リーフ」や「南極大陸」など、館内では地球上のさまざまな場所を旅することができます。海の壁画が描かれている外観も忘れずに目を向けておきましょう。
兵庫県
兵庫県の神戸(こうべ)は、気候が穏やかで住みやすい街として知られています。さすがに夏は気温が高くなるものの、海からの風が暑さを和らげてくれるため、ビルに囲まれた東京の都心部ほど厳しい状況にはなりません。
その時期は夜の観光の時間を増やすというのも、一つの考え方です。神戸は夜景の美しさに定評のある街ですから、「六甲山」や港の遊覧船からそれを眺めてみるのも良いでしょう。
夏の青空の下で全国の球児たちが激しい戦いを繰り広げる「阪神甲子園球場」があるのも、この兵庫です。すべてを出し切るような真剣なぶつかり合いが、勝敗を超えたドラマを生み出します。
それに負けない熱演で夢を見せてくれるのは、宝塚歌劇団の「宝塚大劇場」。見るものを魅了する華麗な舞台もまた、そこに関わるすべての人々の努力に支えられています。どちらも、自然のもたらす暑さを、人の心の熱さが上回る空間です。
神戸ポートタワー
夏の神戸港を散策する時、特に気になる存在は、この「神戸ポートタワー」でしょう。まるで鼓(つづみ)や砂時計のように中央がくびれたユニークな外観もおもしろいですし、展望室からは素晴らしい眺めを見ることができます。
対岸の「神戸ハーバーランド」に設置されている大観覧車と共に、気軽に神戸の夜景や昼の姿を楽しめる絶景スポットです。
城崎温泉
「城崎(きのさき)温泉」には、七つの外湯があります。ここでは「浴衣+下駄」という昔ながらの格好で、それらの外湯めぐりをするのがおすすめです(※多くの旅館に外出用の浴衣と下駄が用意されています)。
夏なら、すこし寄り道を増やしても身体を冷やしすぎる心配はありません。歴史ある木造の宿が並ぶ温泉街の散策と温泉を楽しみましょう。
鳥取県
蒸し暑い夏に、ヒヤリ・ゾクリという体験をさせてくれるお化け屋敷。和風のものなら、出てくるのは幽霊や妖怪です。これほど科学が発達した現代でも、妖怪という存在を簡単に飲み込めるのは、多くの人の心に鳥取県で育った漫画家・水木しげるの作品があるからではないでしょうか。
彼がさまざまなものを目にしながらすごした島根県の境港(さかいみなと)市には「水木しげる記念館」が建てられ、そこへ向かう道は妖怪たちのオブジェが並ぶ「水木しげるロード」になっています。懐かしい妖怪たちに再会するのも、夏の観光としておもしろいかもしれません。
鳥取には広大な砂丘という観光スポットもありますが、この時期は砂の温度や気温が非常に高くなります。体調面で不安がある場合は、たとえば日本神話のウサギとワニ(※一般的な解釈ではサメ)のエピソード「因幡(いなば)の白うさぎ」ゆかりの「白兎(はくと)神社」や「白兎海岸」など、他のスポットも考えてみましょう。
鳥取砂丘 砂の美術館
「鳥取砂丘 砂の美術館」では、砂丘の砂を利用した像を鑑賞することができます。展示は屋内で行われているため、暑い日も安心です。
見事に形作られた砂像は、なんと毎年元の砂に戻され、新たな形になって帰ってきます。風によってすこしずつ形が変わる砂丘と同じように、永遠ではないからこそ人の心を引きつける芸術作品です。
浦富海岸
大小さまざまな島や不思議な形の岩が浮かぶ「浦富(うらどめ)海岸」は、その様子から宮城県の松島に例えられることもある名所です。
他の季節では遊覧船での島めぐりが基本的な楽しみ方になりますが、夏は海水浴場ですごしながら景色を眺めるという方法を選ぶこともできます。鳥取砂丘からも近いため、観光ルートに組み込みやすいスポットです。
島根県
春夏秋冬どの季節もおすすめの、島根を代表する観光地と言えば「出雲大社(いずもおおやしろ、いずもたいしゃ)」です。
「旧暦の10月に全国の神々がここに集まり、人と人の出会いも含めた翌年のさまざまなことを話し合う」という言い伝えにより、今も縁結びを願って多くの人が出雲大社を訪れます。この場合の縁とは、商売なども含めた広い意味でのつながりのことですが、もしかすると夏らしい情熱的な恋のきっかけがつかめるかもしれません。
出雲大社は県北部の日本海に面する地域にあるため、同時に夏の島根の海に触れることもできます。
北東の「隠岐(おき)の島」なども観光の選択肢に入るでしょう。「島後(どうご)」という大きな島を中心とした複数の島からなる隠岐の島エリアでは、自然をより身近に感じることができます。街での日々を忘れ、ここでのんびりと夏の1日をすごすのも、なかなか楽しそうです。
石見銀山
「石見(いわみ)銀山」は、世界遺産に登録されるほど重要な歴史スポットです。
銀山と共に生きた人々の面影を残す周辺エリアも興味深いのですが、やはり本命は銀山そのもの。観光用に公開されている部分は坑道の外に近く、奥よりも外気の影響を受けやすいのですが、それでも気温は常に低く保たれているため、夏の観光も快適に行うことができます。
しまね海洋館アクアス
海の中を歩くような気分が味わえる大きな水族館は、夏に訪れたいスポットの一つ。こちらの「しまね海洋館アクアス」は中国・四国地方最大の水族館です。
中心的な役割を果たす巨大水槽の主役は、シュモクザメやメジロザメのようなサメたち。この「神話の海ゾーン」の他にも、西日本唯一というシロイルカなど、見どころ満載です。
岡山県
岡山県は、東西を兵庫と広島、南北を四国の香川と山陰の鳥取に囲まれた、周辺交通の要となっている県です。ですが、それによって激しく開発が進み、環境が損なわれてしまうということもなく、今も雄大な山々や静かな瀬戸内海といった自然の美しさを満喫できます。
そんな岡山を代表する名所は岡山市の「後楽園(こうらくえん)」です。茨城県水戸市の偕楽園(かいらくえん)、石川県金沢市の兼六園(けんろくえん)と共に日本三名園として名高いこの庭園には緑があふれ、夏も気分を涼しくしてくれます。園内には内部を水路が抜ける休憩場所もあり、その水で足を冷やすこともできます。
気候の穏やかな岡山県は、おいしい果物の産地としても有名です。夏はブルーベリー狩りを行える農園も多いのですが、岡山と言えば桃太郎。同じくこの時期に旬を迎える桃狩りも、岡山観光の有力な候補です。
倉敷美観地区
「倉敷(くらしき)美観地区」には、江戸時代の街並みが見事に保存されています。その様子は、まるで時代劇を撮影するための大規模なセットのようです。
夏の暑さが厳しい日も、地区の中を流れる倉敷川は涼やか。遠い時代には荷物を積んだ舟が行き交ったこの川は、現在も観光用の舟が進む水路という重要な役目を果たしています。
瀬戸大橋
岡山と四国の香川県は、複数の橋が連なって一本の道を作り上げている「瀬戸大橋(せとおおはし)」によって結ばれています。
車道と鉄道をまとめた橋としては、この瀬戸大橋が世界最長で、彼方へ続く海上の道には本当に驚かされてしまいます。夏の日差しに照らされた昼の姿とライトアップされた夜の姿、どちらも魅力は十分です。
広島県
広島三大祭りと呼ばれる大きな祭りのうち、7~8月に行われるのは「住吉祭」です。「すみよしさん」という愛称のこの祭りは、旧暦の6月14・15日に開催されます。現在の暦とは30~40日ほどのズレ(※その年ごとに違います)があるため、実際の日付は7月の中旬~8月の上旬辺りになります。
この祭りの日、舞台となる住吉神社では茅(かや)で作られた大きな輪を通り抜けて心身を清める「茅(ち)の輪くぐり」や「人形(ひとがた)流し」が行われます。川を流れていく人形は、人間の罪や穢(けがれ)が移されたもの。日常の小さな不満も、同じように旅の中で水に流してしまいたいものです。
食事の際は、名物の牡蠣(かき)料理がおすすめ。冬の食材というイメージが強い牡蠣ですが、広島には夏もおいしく食べられる品種があり、夏の旅行の合間にもその味を楽しむことができます。
厳島神社
大鳥居と多くの建物が海の上に並ぶ「厳島(いつくしま)神社」。この不思議な光景が整えられたのは、平清盛(たいらのきよもり)の時代です。その後、焼失と再建、新たな建物の追加などはあったものの、当時の人々が目にした厳島神社の姿が、今も保たれています。
世界遺産に認定された素晴らしい眺めには、暑さを忘れさせるほどの力があります。
尾道
さまざまな映像作品の舞台になった港町「尾道(おのみち)」。今も昭和の面影を残す街並みは、訪れる人の心を優しく受け止めてくれます。
坂道が多いため、暑い時期は少々苦労もありますが、それも映像を見ているだけは経験できないことです。南側の「向島(むかいしま)」との間の、海が狭くなっている部分は「尾道水道」と呼ばれ、船での観光も可能です。
高知県
高速バスの目的地は本州の中だけではありません。瀬戸内海を渡り、四国の高知県にも高速バスは走っていきます。
その高知で行われる「よさこい祭り」は、四国の中では徳島県の阿波踊りに並ぶ有名な夏祭りです。これは「よさこい鳴子(なるこ)踊り」という曲に合わせて踊る祭りで、「鳴子」と「曲のアレンジが自由」という二つの特徴を持っています。
鳴子は音によって(田畑から)鳥を追い払うための道具です。これを手に持ち、その音をアクセントとして踊ります。その際にかける曲は、よさこい鳴子踊りの原曲でなくてもかまいません。振り付けも曲調に合ったものになるため、とても変化に富んだ祭りになります。
熱気よりも癒やしを求めて高知を訪れるなら、四国最長の川「四万十(しまんと)川」へ。清らかな流れと穏やかな空気が、心に新たな活力を与えてくれます。
桂浜
江戸から明治へ向かう日本の歴史の中で、大きな役割を果たした坂本龍馬(りょうま)。青い海が広がり、白い砂浜が輝く「桂浜(かつらはま)」には彼の銅像があり、すぐそばには県立の「坂本龍馬記念館」も建てられています。
心と身体に燃えるようなエネルギーがあふれる夏、彼の熱い生き様をここから追ってみてはいかがでしょう。
龍河洞
日本三大鍾乳洞の一つに数えられる「龍河洞(りゅうがどう)」には、普通の観光コースの他に、より洞窟探検気分を味わえるコースも用意されています。これは事前に電話での予約が必要で、服を着替えヘルメットなどを装備して出発するという本格的なもの。
思わずヒヤリとするような、緊張感たっぷりの巨大鍾乳洞の冒険は、夏にぴったりです。
福岡県
オリオンバスの東京発高速バスの目的地の中で、最も西に位置するのは九州の福岡県です。高知と同じように、ここでも高速バスは海を越えて活躍しています。
福岡の夏は、7月1日から15日までの「博多祇園山笠(はかたぎおんやまかさ)」で始まり、その後には「小倉祇園太鼓(こくらぎおんだいこ)」と「戸畑祇園大山笠(とばたぎおんおおやまがさ)」が続きます(※小倉祇園太鼓は7月の第3金・土・日、戸畑祇園大山笠は7月の第4金・土・日です)。
祭りの名前にある「山笠」とは、かついだり引いたりして動かす神輿(みこし)や山車(だし)のようなものです。戸畑祇園大山笠では、それが夜になると提灯のピラミッドのような姿に変わるというサプライズがあります。
小倉祇園太鼓の太鼓の響きも力強く、どの祭りを選んでも納得のいく旅になるでしょう。
マリンワールド海の中道
「マリンワールド海の中道(なかみち)」の正式名称は「海の中道海浜公園 海洋生態科学館」。つまり、海浜公園の中にある水族館です。九州を囲む四つの海の違いが学べるエリアは、今回や次回以降の九州観光の参考になるかもしれません。
通常の営業時間は夕方までですが、夏は夜まで営業が続くため、その日の観光の締めとしても使いやすいスポットです。
皿倉山
標高622mの「皿倉山(さらくらやま)」は、東京の高尾山(※599m)ほどの山ですが、ここから見る夜の北九州市の姿は「100億ドルの夜景」と言われるほど評価が高く、新日本三大夜景の一つにも選ばれています。
山頂まではケーブルカーとスロープカーを乗り継いで行けますから、夏の旅行でも気軽に観光ルートに加えることができます。
今回はオリオンバスの高速バスの目的地となっている府県だけに注目しましたが、実際の旅行では大阪なら奈良・和歌山、福岡なら佐賀・熊本・大分など、隣接する県を含めた観光計画を考えることもできます。
強い日差しを浴びていっそう輝くスポットや、この時期だけのイベントなど、夏の旅には見どころが多く、すこしでも内容そのものにお金をかけたくなります。高速バスを上手に利用して交通費を減らし、より多くの素敵な場所を訪れてみてはいかがでしょう。
※本記事内の情報は、すべて2021年6月時点のものです。