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縁結びだけじゃもったいない!出雲大社と一緒に訪れたい歴史スポット4選
記事作成日: 2015-07-30
《出雲大社》
祭神のオオクニヌシノミコトが持つ神話から、江戸時代すでに縁結びの社として崇拝されていた出雲大社。現代でも良いご縁をと大勢の人が参拝し、特に女性には大人気です。
国譲りの神話も伝わる出雲の地は、弥生時代~古墳時代にかけて畿内(今の大阪・奈良のあたり)とは別の力を持った一族が居たと言われています。出雲大社の周辺には、それを裏付ける遺跡や史跡がたくさん残ります。
こうした遺跡を見学すると古代の出雲の様子がイメージしやすくなるかも。神話の時代に思いを馳せつつ出雲の地を巡る…そんな旅におすすめなスポットをご紹介します。
【島根県立古代出雲歴史博物館】
出雲大社のすぐ隣に2007年に開館した新しい博物館です。出雲大社に関する内容を中心に、出雲地域で発見された遺跡・史跡の展示を行っています。
2000年の出雲大社地下工事に伴う調査で、鎌倉時代に使われていた巨大な柱が発見されました。太い杉の柱を3本纏めて1つの柱としており、これは宇豆柱といってお社を支えていた主柱です。出雲大社は平安時代、日本でいちばん高い建物として知られており、何と48m以上あったと伝わっていました。あくまで伝説と思われていましたが、実際に巨大な柱が発見された事で現実味を帯びてきました。歴史博物館ではこの実物を据えられていた構造がわかるように展示しています。出雲大社のお社前、足元で見られる宇豆柱跡の実物なんてここでしか見学できません。
《宇豆柱》
館内には実際に建てられていたであろう古代の出雲大社が、10分の1サイズのジオラマで展示されており、こちらも迫力満点です。
他に国宝に指定されている、荒神谷遺跡や加茂岩倉遺跡から出土した大量の銅鐸と銅剣が展示されています。300本以上の銅剣がズラリと並べられている様子は圧巻の一言です。
《銅剣》
またあまり見る機会のない銅鐸を、ケース越しでですが間近で観察できます。
《銅鐸》
2007年に世界遺産登録された石見銀山についても解説されているので、そちらへ足をのばす前に見学するのもおすすめです。
【基本情報】
島根県立古代出雲歴史博物館
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住所:〒699-0701 島根県出雲市大社町杵築東99−4
- 電話番号:0853-53-8600
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アクセス:車で山陰道出雲ICから約 20分・中国道三次IC から 国道54号線経由、 約2時間・山陰道江津IC から 国道9号線経由 、約1時間30分
一畑電車、「出雲大社前駅」降車 徒歩10分 -
営業時間:9:00~18:00(11月~2月は9:00~17:00) ※最終入館時刻は閉館時間の30分前。
- 定休日:毎月第1・第3火曜日 (休館日は変更になる可能性があります)
- 駐車場:無料 (244台)
- URL:http://www.izm.ed.jp/
【猪目洞窟】
出雲大社の北東、日本海に面した猪目海水浴場の端には大きな洞窟があります。斜めの三角形に見える入口の奥には祠があり、さらに奥まで続いているけれどどんどん狭く細くなり様子は不明…少し不思議な雰囲気を持つこの洞窟は、記紀神話に登場する「黄泉比良坂」のモデルの1つと言われています。
イザナミとイザナギの別れを描いたこの神話は、死んだものとは交わってはならない…という古代の人々の教訓話 です。古墳に造られる横穴式石室をイメージしているとも言われていますが、なら何故この猪目洞窟がモデルと言われているのか。それはここがお墓だったからです。
戦後に船着場の拡張をする際、この洞窟内に積もっていた土砂を取り除きました。すると中から十数体の人骨と貝輪、須恵器といった副葬品が見つかりました。出雲風土記に「ここは黄泉への入口」と書かれているのは、お墓として使われていた事が知られていたためです。
ちなみにオオクニヌシも根之堅洲国、すなわち黄泉を訪れています。そして当時(?)黄泉に住んでいたスサノヲノミコトの娘スセリヒメと恋に落ち、彼女を本妻とするのです。
こうした神話を思い出しながら猪目洞窟を訪れると、当時の人々の考え方が垣間見れると思います。
【基本情報】
猪目洞窟
- 住所: 〒691-0024 島根県出雲市猪目町1338
- 電話番号:0853-66-0001(鰐淵コミュニティセンター)
- アクセス: JR出雲駅より一畑電鉄で雲州平田駅下車、バス、車で20分
【鰐淵寺】
出雲市別所町にある鰐淵寺は、山地を隔てた出雲大社ととても縁のあるお寺です。
6世紀には山岳修行の寺院として開かれていたと伝わる古刹で、平安時代に天台宗寺院となりました。鎌倉時代に入り、神社とお寺が融合する「神仏習合」の考え方が広まると、出雲大社に相対する寺院となっていきます。出雲大社内に鰐淵寺の別当(寺院部門を管理する機関)が置かれるなど密接な関係が築かれました。
現在ではそれぞれ独立した関係となっていますが、牛頭天王とスサノヲの関係が垣間見えるお社もあったりします。また出雲地域で屈指の紅葉名所と名高く、秋に出雲を訪れるのなら是非寄ってほしいお寺です。
【基本情報】
鰐淵寺
- 住所: 〒691-0022 島根県出雲市別所町148
- 電話番号:0853-66-0250
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アクセス:山陰道宍道ICより県道184号線経由車で約25分
一畑電車雲州平田駅より路線バス鰐淵線で約25分、鰐淵寺駐車場下車、徒歩約15分 - 営業時間: 8:00 ~ 17:00
- 駐車場:60台
- URL:https://www.izumo-kankou.gr.jp/683
【西谷墳墓群史跡公園・出雲弥生の森博物館】
荒神谷遺跡などと比べてだいぶ地味な西谷墳墓群。しかし弥生時代の出雲地域を紐解く上でとても大切な遺跡です。出雲大社の南東、斐伊川左岸の丘陵上に、2世紀末~3世紀にかけて造られた墳墓群で、国の史跡に指定されています。
この中には四隅突出型墳丘墓という、出雲地域から日本海沿岸部に伝わる、四角の角を外へ引っ張ったような特殊な形の墳墓が数基存在します。しかも規模が大きく副葬品や埋葬施設の状況から、当時の王の墓ではないかと考えられています。
2~3世紀といえば卑弥呼の時代とほぼ同じ。邪馬台国の場所はまだ不明ですが、同じ時代に出雲にとても力を持った王がいたなんて、古代のロマンを感じます。
古墳群に隣接して弥生の森博物館があり、西谷墳墓群を中心に出雲市内の古墳について力を入れた展示を行っています。オオクニヌシやスサノヲよりも前の時代の出雲がどのような様子であったのか知るのに、荒神谷遺跡や加茂岩倉遺跡と共に訪れて欲しい施設です。
【基本情報】
出雲弥生の森博物館
- 住所: 〒693-0011 島根県出雲市大津町2760
- 電話番号:0853-25-1841
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アクセス:陰道斐川IC から出雲ロマン街道(簸川南広域農道)経由、約10分・中国道三次ICから国道54号線経由、約2時間・山陰道江津ICから国道9号線経由、約2時間
路線バス「出雲市駅」から「出雲弥生の森博物館前」下車・一畑電車「大津町駅」から徒歩約20分 - 営業時間: AM9:00~PM5:00 (入館はPM4:30まで)
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定休日:毎週火曜日・年末年始(12月29日~1月3日)※祝日と重なる場合は翌平日
- 駐車場:117台
- URL:http://www.city.izumo.shimane.jp/
www/contents/ 1244161923233/index.html
【おわりに】
いかがでしたでしょうか?
出雲には他にも古代の史跡がたくさんあります。こうした場所を巡ることで、いつもと少し違う出雲旅行が味わえると思います。出雲大社ご参拝の折には是非訪れてみてくださいね。