夏の栗林公園は早朝がおすすめです!

夏の栗林公園は早朝がおすすめです!

記事作成日: 2015-09-01

栗林公園

高松市の栗林公園といえば、100年以上もの年月をかけて、水戸徳川家から分家した松平頼重(水戸光圀の兄)らが完成させた大名庭園です。ミシュラン観光ガイドで三ツ星評価を得たり、アメリカの庭園専門雑誌での「日本庭園ランキング」では足立美術館、桂離宮に続く3位となっており、今では日本を代表する和風庭園と受け止められています。
夏に高松市を旅したとき、是非涼しく人があまり居ない(であろう)早朝に観光したい!と訪れました。

栗林公園

栗林公園まではどうやって?

夏季の栗林公園は朝の5時半から開園しています。路線バスはまだ通っていないし、ことでんの駅からは少し歩くし…そこで活躍するのが貸し自転車です。高松市街地の多くのホテルでは自転車の貸し出しを行っていて、平坦地が続く高松観光の便利な足となっています。
私も宿泊したホテルで自転車をお借りして栗林公園を目指しました。
自家用車のかたはそのまま車で向かわれると良いと思います。公園には各入口に広い駐車場があります(有料)。

栗林公園桶樋の滝

松の木の庭園がここまで美しいとは

駐輪場に自転車を置き、東口から入園します。栗林公園には北口もあり、JR高徳線で訪れる際にはそちらからの方が便利です。
園内に入りまず目を見張ったのが、紫雲山を借景とした緑の景色です。美しく整然と、しかし個性的に整えられた松。その下一面に広がる芝生、そして周りを固める垣根や林も夏の鮮やかな緑色。
主役の松を引き立て見事に調和した緑色の庭園は、夏の真っ青な空にも映えて、その美しさに一瞬言葉を失いました。松の木をメインとした景色は日本庭園でよくある様式ですが、ここまでハッとさせられる景色は初めてでした。
そして平日の朝6時半という事もあり、人気はかなり少ないです。たまに1人2人、大きなカメラを持った方々を見かける程度でした。こんな素晴らしい庭園をひとり占めしてる、なんて気分になれるのも早朝ならではのおトクでしょうね。
入園時には「おすすめ散策コース」という地図を頂いており、おおよその見学時間も書かれていて便利です。私もこの通りにまわってみようと考えていましたが、ちょっと途中でそれて芙蓉沼に向かいました。

栗林公園松

ハスが次々に花開く芙蓉沼

栗林公園の芙蓉沼は1000株ものハスが茂り、初夏には一面に花が咲く事で有名です。ハスは日が昇り始めた早朝に咲き始め、昼には閉じてしまいます。私が夏の早朝にここを訪れたのも、静かに咲き始めるハスの花を鑑賞したかったためでした。
入園時に受付の方に伺うと、「この間の台風の影響で今年はちょっと…」とのお話でしたが、何のじゅうぶんに見応えあります。ピンクの株を中心に、たまに白い花も日が高くなるにつれどんどん咲いていく様子を見ることができましたし、花の数もじゅうぶんだったと思います。これで「ちょっと」ならば毎年どれだけ素晴らしい様子なのでしょうか。ハス満開の芙蓉沼を訪れたくなりました。

栗林公園芙蓉沼ハス

飛来峰・芙蓉峰からの景色もひとり占め

芙蓉沼から散策コースに戻り、睡蓮が咲く西湖や人工とは思えない桶樋滝、石を配した築山の小普陀、茅葺き屋根と坪庭が風情ある茶室の日暮亭、壮麗で歴史ある茶室の掬月亭を楽しみながら公園の西側へと進みます。こちらは北湖・南湖という人工池を中心とし、周囲に茶室や散策路、築山、水路、橋など備えた回遊式庭園で、これまた紫雲山を借景として計算され尽くした造りとなっていました。
南湖の西岸には「楓岸」と名付けられた一角があります。その名の通りモミジがたくさん植えられており、紅葉の季節はそれは見事な景色が楽しめるそうです。夏でも青々とした葉に根元のフカフカな苔の緑が木漏れ日にキラキラと綺麗で、それらを自然石の石畳を歩きながら静かに楽しむという、早朝ならではの幸せなひと時を過ごせました。
池の南端には、庭園をより高いところから眺められる築山が築かれています。南湖は飛来峰、北湖では芙蓉峰と名付けられ、そこからの景色はまるで1枚の絵のようです。
よく栗林公園を紹介するのに使われる写真はここから撮られたもので、早朝で人気が無いので写真そのままの景色を楽しめました。空は梅雨明けでぬけるように青く、庭園内は空に映える緑色。広い池の水面は鏡のようにそれらを写します。偃月橋や小さな赤橋もアクセントになり、いつまでもこの「絵」を眺めていたくなりました。

栗林公園飛来峰からの景色

花園亭で朝粥にほっこり

芙蓉峰からは「恋ツツジ」や中心部の広場、数々の松を巡って園内の散策を終えました。
最後には北湖南東岸にある花園亭の離れ「泛花亭」で、お待ちかねの朝粥です。基本は予約制ですが、平日の早朝といった人が少ない時は飛び込みでも頂けます。時間は朝7時から10時まで、メニューは130円と1620円のセットの2種類です。
私は1300円のほうを頂きましたが、サラリとした優しいお粥がタップリ食べられ、焼き魚や煮物なども付いてきました。何より離れからゆったりと庭園を眺めて食べられる時間に、心身共に癒されたと思います。
早朝散策ですと、お茶室内部が拝見できなかったり、お土産屋や甘味屋が営業時間前だったりと寂しい点もありますが、特別な時間が過ごせるならまた是非早朝に来たいなと感じた栗林公園散策でした。

 

栗林公園楓岸

ayamocha

この記事を書いた人 ayamocha

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旅が好き&出張の多い仕事のため、国内あちこちに出没しています。たまに海外へも行きます。目下の目標は47都道府県全てを訪れることです(あと2県!)。最近は御朱印集めにもハマっています。各地の楽しい情報をみなさまにお届けしていきます。

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