この記事を書いた人 トリッパー編集部
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固有種の宝庫・東洋のガラパゴス屋久島
記事作成日: 2015-07-24
島のそのほとんどが山や森に覆われ、海に囲まれた屋久島は、古くからその姿を変えずに存在する貴重な自然に満ちています。有名な縄文杉などの屋久杉をはじめ、ヤクシカやヤクザルなど島内でしか見ることの出来ない固有種の多さに東洋のガラパゴスとも呼ばれ、訪れた人にかつてない経験と感動をもたらしてくれることは間違いありません。
「人2万、猿2万、シカ2万」
昔から屋久島はこのように言われ、人と猿とシカの島それが屋久島なのです。
彼らはヤクザル・ヤクシカと呼ばれる屋久島でしか見ることの出来ない固有種で、その一番の特徴はどちらも本土の猿やシカと比べ体が小さいことです。屋久島という限られた生息域しか存在し得ない閉鎖された環境と、天敵となる大型の肉食獣が存在しなかった事が、小型化への進化を促したのではないかと言われています。
猿とシカだけじゃない島固有の生き物たち
屋久島で見られる固有種はヤクザルやヤクシカだけではありません。植物が約40種、哺乳類4種、鳥類4種、爬虫類1種、両生類2種さらに昆虫にも数多くの固有種をみることができます。屋久島という閉鎖された環境が独自の進化を促す、まさに東洋のガラパゴスと呼ぶにふさわしい大自然が屋久島にはあるのです。
また5月~7月になると黒潮に乗って数多くのウミガメが産卵の為、屋久島の海岸へとやってきます。日本国内に訪れる数の約3分の1はここ屋久島へ来るウミガメです。
動物たちに出会えるかもしれないオススメスポット
白谷雲水峡
もののけ姫の舞台と言われる白谷雲水峡。苔や清流の美しい森が広がりその神秘的な空間に癒やされる事は間違いありません。運が良ければサワガニやヤクシカが姿を見せることもあります。
西部林道
島の西側を山岳から海岸部まで走る林道で、急斜面を横切るように照葉樹の森を約12キロ堪能することができます。道路にはヤクザルがよく姿を見せ、5月-6月頃であれば生まれたばかりの仔猿も目撃することができるかもしれません。原生林の奥にはガイドを伴わなければ入ることはできませんが、ガジュマルの巨木を見ることが出来ます。
まるで要塞のように根が絡みあうその姿は大自然の産んだ芸術と呼べます。
いなか浜
西海岸に位置する非常に美しいビーチです。ウミガメの産卵地として有名で、5月-7月の夜には産卵にきたウミガメを観察することができるかもしれません。
最後に
素晴らしい大自然の広がる屋久島ですが、その自然が今尚残っている最大の理由は人の手が入らなかったからです。散策や観察をする際には極力自然へ介入する事が無いように気をつけることが大切です。できればツアーやガイドを依頼し、その指示にしたがって行動するのがいいでしょう。
普段見かけることのない動物たちに出会えた時に思わず何かアクションを起こしてしまいたくなる気持ちはとてもよくわかりますが、この自然を未来へとつなげるためには一人一人の協力が大切なのです。