歴女におすすめ!ちょっとマニアな函館めぐり

歴女におすすめ!ちょっとマニアな函館めぐり

記事作成日: 2015-09-08

北海道 函館

夜景、異国情緒あふれる街並み、美味しい海産物など魅力あふれる北海道の港町・函館。今回は歴史好きのあなたに、市電と徒歩で箱館戦争の史跡を巡るちょっとマニアな歴史散歩をご紹介!

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歴女にも魅力タップリな函館

函館といえば、北海道でも有数の観光地。函館山周辺の明治大正時代の旧領事館や教会などの歴史的建造物や古い建物が坂道に立ち並ぶ街並みは、異国情緒にあふれロマンを感じさせます。函館山から眺める夜景は世界有数の美しさ。これは本当にタメ息もの!そして函館を代表するイカを初めとする海産物は新鮮で美味。さらに温泉も充実と、旅好き女子に必要な要素は完璧!ですが、函館の魅力はそれだけではなく、華やかな街並みの陰に歴女が興奮する隠れた名所があるのです。歴女や新撰組好きの皆さんは、函館の地で旧幕府軍と新政府軍(官軍)が戦った戊辰戦争の最終決戦、箱館戦争が行われたことをご存知でしょう。そこで今回は、市電と徒歩で観光とセットで箱館戦争のゆかりの地を巡る、歴女には想像の旅に浸れる歴史散歩をご案内します!

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旧幕府軍と新政府軍が函館で激戦

1868年(明治元年)が榎本武揚率いる旧幕府軍が品川沖を脱走し10月に函館の北にある鷲の木(現・森町)に上陸します。10月には五稜郭を占拠し、11月には蝦夷共和国樹立を宣言します。しかし、翌1869年4月に新政府軍は蝦夷地に上陸し函館へ進軍、5月11日からは函館山周辺から上陸、函館市内で激しい戦闘が行われ、その中で土方歳三が戦死、17日に旧幕府軍が全面降伏し戦闘は終結しました。その旧幕府軍の司令基地となったのが五稜郭公園(五稜郭町44)です。

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ツアーや旅行で来られる皆さんは、湯の川温泉に宿泊する方が多いでしょう。湯の川温泉からは。函館旅情を楽しみたければ市電での移動がやはりおススメ。乗り放題の市電1日乗車券(大人600円、小人300円)を利用するのが便利です。

市電を利用して五稜郭公園へGO!

電停「湯の川温泉」で乗車し「五稜郭公園前」で下車、徒歩10分ほどで五稜郭公園にたどり着きます。国内初のフランス式の星型要塞で大正年代に国の特別史跡に指定されています。公園内は基本的には市民公園で春は花見の名所となっています。

2010年(平成22年)に箱館奉行所が復元されましたが、全景を眺めるには、隣接する五稜郭タワー(http://www. goryokaku-tower.co.jp/index.html)から眺めるのがおススメです。函館市内を一望することもできますし、箱館戦争の詳しい流れを知ることもできるので散歩の始まりに最適な場所です!

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徳川家への義に殉じた父子に胸キュン

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歴史散歩のスタート地点・五稜郭公園は函館でも有数の観光地です。ですが、歴女の皆さん、ここからは普通の観光客は訪れないマニアックな散策になりますよ!五稜郭を後にして、函館山方面に1200mほど歩き、「中島三郎助父子最後之地」(中島町36-12)の慰霊碑にたどり着きます。道路の中央分離帯内にあり、歴史好きでなければ訪れない地です。ですが、この周辺は五稜郭の前線基地・千代ヶ岡陣屋であり激戦地でした。中島三郎助は歴史上マイナーな人物ですが、幕府の浦賀奉行与力で、ペリー提督の浦賀来航時、黒船に最初に乗り込み交渉に当たるという外交上重要な役割を果たします。

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函館では箱館奉行並として千代ヶ岡陣屋の守備に就き奮戦。降伏を拒否し5月16日に長男、次男と共に壮烈な最後を遂げるのです(涙)。徳川家の義に殉じた父子にちなんで周囲一帯を昭和6年に中島町と名付けられました。地味ながら地域の人々によって整備されていて、クロフネツツジなどの花々が植えられており、市民の三郎助父子への敬意が感じられます。知られざる傑物の存在を知ることができるのも歴史散歩の楽しいところですよね!

 

新撰組最後の地となった激戦の弁天台場跡

同地から千代台公園を抜けて、千代台町電停から「函館どつく前」行きの市電に乗車し、終点駅で下車し、海側に歩いてすぐの弁天台場跡(弁天町20)に向かいます。台場跡は現在公園で、「新撰組最後の地」と書かれた石碑があるのみです。

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台場に使われていた石材の一部は傍にある函館漁港の防波堤に使用されていて、そこにわずかな名残があるだけです。弁天台場は江戸時代末期に築かれた砲台陣地で、箱館戦争では官軍の攻撃を防ぐ最前線基地となっていましたが、1869年(明治2年)5月15日に新撰組100余名を含む台場の守備隊は降伏し、新撰組の歴史は幕を閉じました。4日前の5月11日には土方歳三が戦死しています。幕末の表舞台に立った新撰組が時代の波に抗えず果てた地に立つとき、やはり胸を締め付けられるような気持ちになりました。

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歴史散歩とともに街並み散策も楽しもう

弁天台場からは函館山の麓を歩きながら碧血碑(へっけつひ)を目指します。2キロほどの距離がありますが、ここでしんみりした気持ちから一度、気分転換をします。函館山周辺の西部地区の街並みは、北海道遺産に指定されている異国情緒あふれる観光のメッカです。

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観光の基点になる元町公園を目指して歩けば、観光気分にひたれることは間違いなし!しんみりした気持ちから離れて街並みを楽しめます。公園周辺には旧函館区公会堂(国の重要指定文化財)をはじめ、旧領事館や教会も多く、最も有名な撮影スポットのひとつ、八幡坂もありゴールデンウィークや夏休みは常に賑わっている場所です。坂の写真は5月に撮影したもので、季節感がずれていて御免なさい。古い建造物を改造したカフェも点在しているので、一休みすることができますよ!公園内には観光案内所(元町12-18、営業時間9:00~19:00、11~3月は17:00まで)があるので碧血碑まで行く道程を訪ねてもよいでしょう。

旧幕府軍戦没者がひっそりと眠る碧血碑

元町公園から東に歩いて、市民公園の函館公園を抜け、函館山の山林に囲まれた道を進むと碧血碑(谷地頭町1)の入り口があり、山道を200mほど進むと東屋と碑があります。ここには箱館戦争で土方歳三をはじめとする戦没者約800人が慰霊されています。

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終戦後、新政府軍は旧幕府軍の遺体の埋葬を許さず放置されていましたが、地元の侠客・柳川熊吉が遺体を回収。私費を投じて当地の土地を買い埋葬し、7回忌の明治8年(1875年)にが建立されました。土方歳三ファンにはよく知られ、毎年6月の慰霊祭ではにぎわいますが、普段はひっそりとしていて、私が訪れた時もほかの見学客はいません。それでも常に千羽鶴などが供えられており、よく整備されています。夏場でも空気が張りつめたようなヒンヤリ感があり、厳かな気持ちになります。侍の無念が伝わってくるような不思議な感覚なのです。近くの護国神社には官軍の戦没者が祀られていて、勝者と敗者のギャップの大きさも感じてしまいます。夏場はやぶ蚊が多いので虫刺されに注意ですよ!

さて、ここまできたらさすがに疲れます。ですが、ダイエットだと思って、もうひと踏ん張りして1200mほど先の、立待岬に向かいます。30m以上の断崖絶壁から眺める津軽海峡と函館の景色は絶景です。晴れた日には下北半島も眺めることができます。無理してでも訪れた価値はあると感じますよ!有名なスポットなのですが、実はこの場所も、箱館戦争で黒田清隆率いる官軍が上陸しているというゆかりの地なのです。

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名湯・谷地頭温泉で疲れた体を癒す

函館は温泉の町でもあります。碧血碑や立待岬の近くには、市民に大人気の谷地頭温泉(谷地頭町20-7、営業時間6:00~22:00、料金:大人420円、小人140円、幼児70円、3歳以下無料、0138‐22‐8371)がありますので、地元民との交流や、散策の疲れを取るのに最適です。泉質はナトリウム‐塩化物泉でトロリとした赤茶色で、熱めなのにゆっくりじんわりと温まることができます。シャンプーなどは備え付けていませんので、持参かフロントで購入してください。食堂もあるので入浴後は軽食を楽しむこともできます。

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まだ、体力があればロープウェイで函館山に登り、夜景を眺めてみては?疲れたからさすがにホテルに戻りたいという方は温泉から徒歩5分で市電の谷地頭電停があり、湯の川温泉には40分ほどで戻ることができます。

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今回歩いた史跡は観光としてはマイナーですが、歴史好き、散策好きの方には通常の観光とセットにして格安で堪能できますよ!函館山山麓を端から端まで歩くのでタフなコースですが、歩くことで、車移動などより濃密な散策ができると思います!思い思いの函館めぐりを楽しんでほしいです!

トリッパー編集部

この記事を書いた人 トリッパー編集部

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トリッパーを運営する株式会社トラベルマルシェのスタッフです。国内の北海道から沖縄までの旅行情報を発信し、皆様に楽しくなる旅行情報をお届けします。

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