この記事を書いた人 根子 陵子
記事作成日:
心うるおす大人女子旅 世界遺産・北海道知床へ行こう!
記事作成日: 2015-10-08
日本が誇る世界遺産「北海道・知床」。雄大な自然と世界に類を見ない独自の生態系、一大食物連鎖が評価を得ています。ひと口に知床と言っても、その見どころは海、山、川ととにかく広大! 移動だけで時間がとられてしまうことも。そこで今回は、ビギナーのための知床おすすめスポットをご紹介します。
2005年、ユネスコ世界遺産に登録された「北海道・知床」。荒波によって削られた海岸線、世界で最も南端に接岸する流氷、豊富な魚介類。陸に生息するキツネやヒグマ、川を遡上する鮭の群れなど、世界に類を見ない独自の生態系と一大食物連鎖が国内外で高く評価されています。また、いまだ人手の加わっていないさまざまな植生の存在やシマフクロウ、オオワシ、オジロワシなど希少種の重要な繁殖地というのも知床の魅力。のびのびと暮らす動物たちの姿に、生命の営みと力強さを感じることでしょう。今回は、ビギナーのための知床おすすめスポットをご紹介します。
ビギナーにうれしい「観光船」で知床の自然を満喫!
世界で最も低緯度で海水が結氷する知床半島は、海・川・陸の生物全体が独自の食物連鎖で形成されています。また、ひと口に知床と言ってもとにかく広大! 無計画で訪れては移動だけで時間がとられてしまうことも。そこでおすすめなのが海の上から知床の自然をまるごと体感できる「観光船」の利用です。海ではイルカの群れを、河口では鮭を捕食するヒグマ、希少生物のオジロワシやケイマフリなど、さまざまな原始の世界を目にすることができますよ。初心者におすすめは、知床岬まで約3時間のクルージング。知床岬付近は国立公園として厳重な管理下にあり、一般観光客の立ち入りは禁止されているため、観光船からの眺めが最も至近距離となります。往路では奇岩や洞窟、滝などを眺めることができ、復路では知床連山の眺めや優雅に舞うイルカの群れや、運が良ければルシャ川の河口付近でヒグマを観察できるかもしれません!催行会社によってコース名やルート、所要時間が異なるので、事前にチェックをしてからお出かけを。
必見!「知床五湖」が魅せる四季の移ろい
知床の自然を湖面に映す「知床五湖」は、原生林に浮かぶ5つの湖からなります。春夏秋冬、それぞれの季節を美しく反映し、周辺には多くの植物や動物たちが生息しています。知床五湖は一湖から五湖まで名前がついており、2つの方法で散策することができます。それぞれの特徴をみていきましょう。
手軽に散策するなら「高架木道」
全長約800mの高架木道を通り、一湖の湖畔まで行くことができます。ヒグマ出没の影響を受けないよう、高架に設置されているフラットな木道なので、子供からお年寄りまで幅広い世代におすすめです。
野生の息吹を感じながら地上を散策「地上遊歩道」
地上に整備された遊歩道を散策するコースです。季節によって異なりますが、事前にレクチャーを受ける必要があるシーズンも。また、ヒグマが出没した際は安全のため、遊歩道を閉鎖することもあるので覚えておきましょう。
これぞ旅の醍醐味!知床グルメに舌鼓
知床が守ってきたものは自然や野生動物だけではありません。冬のオホーツク海を埋め尽くす流氷もそのひとつです。春の雪解けとともに、漂着した流氷に付着していた植物プランクトンが一気に増殖。それをエサに動物プランクトが大量に発生し、餌を求めるいろいろな魚が知床の海に集まってきます。その豊かな漁場はおいしい海の幸を育み、知床グルメとして多くの観光客を夢中にさせています。なかでも羅臼(らうす)産は、いまではすっかり北海道を代表する鮮魚ブランドになっています。ホッケやウニ、鮭児(けいじ)やイクラなど、脂とうま味がぎっしり詰まったおいしさに、ぜひ舌鼓を!
知床までのアクセス
北海道東部に位置する知床は、北海道の空の玄関口・千歳空港から車で400kmを超える距離があります。そのため、知床までのアクセスは空路と陸路を上手に利用するのが賢い移動手段。おすすめは、女満別(めまんべつ)空港を起点としたバスの移動です。空港からは温泉宿やホテルが多く点在する「ウトロ」行きのバスが運行しています。約2時間15分のバスの旅は、車窓から眺める北海道の自然を楽しむことができますよ。日本が誇る世界遺産・知床。そこにはいまだわたしたちが踏み入ることができない自然があります。その原始の世界を間近で見ながら、守り続けることがわたしたちの使命なのかもしれません。生命の営みと誕生を五感で感じることができる知床は、訪れる人をあたたかく出迎えてくれることでしょう。