この記事を書いた人 トリッパー編集部
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非日常との遭遇!ちょっとした冒険気分を満喫!かわいいのら猫の楽園 池島♪
記事作成日: 2015-11-06
「日常生活をちょっと離れて冒険してみたい。」世界遺産登録ブームに乗っかって、30分の船旅でもうひとつの軍艦島・池島へ行ってみませんか!猫たちもたくさんいるわくわくの島で猫たちとのふれあいもできちゃいます♪
30分程度の気軽な船旅。わくわくしていたらいつの間にか到着!
池島へは佐世保、神浦、瀬戸の三つの港から船が出ているのですが、瀬戸港から出発することにしました。瀬戸港からは430円ととてもリーズナブルな料金で、池島行きのフェリーに乗ることができます。 この瀬戸港と池島をつなぐフェリーは1日6往復です。とっても綺麗な船乗り場にびっくりしました!トイレも綺麗ですから、乗船する前に行っておくといいかもしれません。
船内で釣りが目的で池島へ行くおじちゃんと、この時期、池島周辺でよく釣れるカサゴという魚の話題で盛り上がっていると、あっという間に池島へ到着していました。
さあ冒険の島へ上陸です!
島へ到着すると真っ赤なハイビスカスが咲き誇っていました。上陸早々、人手が入っていることが感じられて安心感がありますね。というのも、2001年に閉山したばかりなので、今も島に住んでいる方々がいらっしゃるためです。
島民の方々や猫たちとのふれあい
しばらく歩いていると陽気な音楽が聴こえてきました。なんだろうと思って音のするほうへ歩みを進めていくと、
どうやら、あれは移動販売の車のようです。生活用品や食料品などが並んでいます。せっかくなので商品を購入してみました。少し気になっていた価格は市場価格と同じでした!山の自販機などは少々お高いことが多いですが、池島ではそういうことはないようです。品揃えもかなり豊富ですね。
猫たちを発見しました!毛づくろいがシンクロしています。仲がいい証拠ですね♪島内を1周してわかったのですが、猫たちは人々が居住しているあたりにいることが多いようです。
猫たちのご飯の時間です。美味しそうなお魚に、皆夢中になっています。大きな子が小さい子の餌を横取りしようとして怒られたりする様子が、なんとも可愛らしかったです。池島には車も何台かあり、たったの100円で島の上まで乗せてもらえるバスもありますが、そのバスが道路を通過しようとしても猫たちは道をあけてくれません。島の方のお話によると、子猫のほうが動いてくれないそう。猫も大人は気を使うのですね。
いざ島内を探索!
海岸線長4キロという小さな島なので、1周するのに1時間もあれば足りてしまいます。 歩きはちょっと、という方でもフェリーに車を積めば車で周ることもできますし、上述のバスに乗ることもできます。また、電動アシスト自転車が1日なんと600円と格安でレンタルできてしまいます!
しばらく歩いていると、こんな巨大な施設を発見しました。 こちらは火力発電所。掘り出した石炭で電気を作り出し、社宅や工場の電気をまかなったり、地下に空気を送るタービンを回していたそうです。まるで映画のセットのような迫力!
この火力発電所に併設されているのは、海水を熱し、蒸気にした上で冷やして真水を作るという世界初の海水を真水に変える施設です。このテクノロジーは、世界に貢献する池島の誇る施設なのです。 掘り出した石炭で電気を作り、海水で真水を作る、なんて効率的なシステムなのだろうと感動を覚えました。
さらに上ってゆくと、大きな学校が見えてきました。こんなに大きな学校に、現在生徒は1名だそうです。しかし、来年はもう1名増えるとのこと。学校生活が楽しくなるかもしれませんね! 校庭を囲むように桜並木がありました。春に訪れると、また別の美しい風景に出会えるかもしれません。
学校のすぐ上には長崎市設池島総合食料品小売センターという建物がありました。小さく「かあさんの店」と書いてあります。どんなお店なのか気になったので迷わず入店!
近づいてみるとその正体は定食屋さんでした。ちょうどお腹が空いてきていたので日替わり定食を注文しようとしたところ、「今日はないかな」とのこと。僕が訪れたのはツアーもない平日でしたから、用意されていなかったのでしょう。そんなのんきな雰囲気も面白く、しばらく談笑しながら注文したのがこちらの高菜ピラフ。実家にありそうなスプーンやお皿に盛られたピラフは、ほんとうにかあさんの味がして懐かしい気持ちになりました。
次に訪れたのは炭鉱アパートの中でもひときわ目立つ面白い建物でした。 なんと8階建てです!しかしエレベーターがなく、階段の上り下りが大変だったので、5階付近で高台とつながる橋が架けられていたり、アパート同士の屋上がつながっていたりするなど、なんとか工夫して作られたおかげで非常に面白い形状をしていました。山の上の高層アパートなので、シーサイドビューが望めた素敵な住居だったと思われます。
他の住居としてはこのようなアパートが幾重にも続いています。 軍艦島閉山の後に、一時は世界一人口密度の多い地域になったというのもうなずけるだけの世帯数です!
こちらの施設はトリンマーといい、これで石炭を運搬船に積み込んでいたそうです。僕が上陸した日は「長崎さるく(歩くという意味)」というツアーのない日だったのですが、ツアーに参加すると、トロッコに乗って炭鉱内を見学することができます。
トロッコに乗るとこちらの入り口より坑内へ入ってゆくことになります。坑内はさまざまな管が通っているトンネルになっていて、実際に使用していた機械に触れることもできるそうです。
帰りに気付いたこちらの文字、「絆 池しま 大スキ」と書かれていました。なんだかとてもセンチメンタルな気持ちになります。帰りは夕日と池島を背に、フェリーへ乗り込みました。
石炭産業のみでやりくりしていた島は、炭鉱が閉山したことで産業のない島になってしまい、若い人々は島を出ることを余儀なくされたそうです。
とはいえ、このロマンと島民の優しさあふれる島が、再びにぎわうことができたらいいのだけれど、などと考えつつ帰路につきました。池島は物思いにふけるもよし、歴史を学ぶもよしと、さまざまな魅力のある島です!ぜひ一度行って自分なりの楽しみを見つけてみてください♪【旧池島炭鉱】所在地:〒857-0071長崎市池島町1411-1アクセス:JR長崎駅前より車で大瀬戸町瀬戸港まで約80分(または神浦港まで約70分)、池島行きフェリーで約30分池島炭鉱さるく公式サイト