この記事を書いた人 トリッパー編集部
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世界でただひとつ!能面体験のできる金沢能楽美術館。
記事更新日: 2016-01-14
「能楽」は日本の伝統芸能のひとつですが、能楽に関する美術館が唯一、金沢にあることを知っていますか?実際に「能」で使われる衣装や能面をつけることで、演者の気持ちに寄り添う体験や、能面の制作過程を知ることができます。
能面がすごい!
金沢の能楽は、加賀藩前田家の時代に武家の娯楽としてだけではなく、庶民にも広くすすめていたことから「加賀宝生」として発展してきました。「加賀宝生」とは能楽師のシテ方(生きている人間、霊、草木の精、神、鬼など多様)の役の流儀のひとつで、重厚な芸風や細やかで優美な謡などが特徴的です。この美術館には「加賀宝生」に伝わる貴重な能面や能装束が展示されています。
ではチケットも買ったので入ってみましょう。
1階には能面や、能面ができるまでの過程が展示、スクリーンには能が動画で紹介されています。こんな間近で能面を見たことがなかったので、ついついじっくり見てしまいます。海外からの旅行客も楽しそうに閲覧していました。
最初はただの四角い木なのに、これがいろんな過程を経て面になっていく。そしてそのひとつひとつの過程には面を作る職人さんの想いが込められていると思うとドラマを感じます。
こんなにツルツルにできるなんてすごい技術です。でき上がった能面しか見たことがないので、途中経過がわかるとすごく新鮮でした。2階では秋の特別展をしていました。
たくさんの能面や綺麗な能装束などが展示されていました。撮影禁止だったのでお見せできないのが残念ですが、ひとつひとつどれも興味深いものばかりで、当時の生活や人間模様を想像しながら鑑賞できたのでおもしろかったです。
また2階には能や狂言の絵本コーナーや、10分ほどの映像で加賀宝生の歴史を紹介するコーナーもあり、能を知るきっかけにはいい場所だなぁと感じました。
着けてびっくり!能面体験
1階の奥の方では能面や装束の着装体験ができるそうなので、体験してみることに。
こちらにはボランティアガイドの「まいどさん」が朝10時から16時まで常駐していて、この体験コーナーでの着付けも担当されています。私の着付けをしてくださった方が「能楽はたとえ見ていて意味がわからなくても、音を鑑賞することもできる文化なのよ」とおっしゃっていました。なるほど奥が深いです。10種類ほどある面の中から17歳の面をお借りして、ちょっと若返らせていただきました。まず、「今から面を着けさせていただきます」ということで一礼してから着けるということを教わりました。そして衣装を着つけていただき完成!なんだか気持ちがしゃんとします。
建物がガラス張りなので通りを歩く人がおもしろそうに見ています。今の私は能面があるので無敵ですが(笑)先ほど紹介した1階の展示スペース、実は4本の柱にそれぞれ名前がついていたので「なんだろう?」と思っていたのですが、ここにきて謎が解けました。今自分が立っている場所を舞台と仮定して、その柱から柱の間が舞台の広さなんだそう。面をつけて見える世界は、本当に視野も狭く、衣装も本番ではもっとがっちり着付けるのでなかなか動きにくいです。この状態で演技をするなんて本当にすごい!
女性だと髪の生え際の線が1回だと17歳で…
線が増えるごとに歳が増えるんだそう。少しの知識でも身につくだけで能を見るポイントが変わりますね。能はもともとは男性の演者しか許されなかったそうですが、最近では女性の演者の方もいらっしゃるそうですよ。
カラフルでおしゃれ♪
能をモチーフにしたグッズもありました。マグネットや缶バッジにポップな感じでデザインされているので飾るだけでも可愛いです。全種類制覇したくなりますね!
お部屋のアクセントにいかがですか?
こんなに気軽に日本の伝統文化を体験できるなんてびっくり!すっかり能の世界に引き込まれてしまいました。初めてじっくり「能」に触れましたが、知れば知るほど興味がわいてきます。思っていたより親しみやすく感じました。今度は能楽観賞も行ってみたいです♪金沢旅行のときは気軽に文化体験してみませんか?
スポット情報
金沢能楽美術館
〒920-0962
石川県金沢市広坂1-2-25
TEL:076-220-2790
アクセス:JR金沢駅から路線バスにて「香林坊」下車徒歩5分、または「広坂・21世紀美術館」下車徒歩2分