この記事を書いた人 トリッパー編集部
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世界遺産の大庭園「識名園」でヨーンナーシミソーレー(ゆっくりしてください)
記事更新日: 2016-04-22
首里城から南へ約1.5km。琉球王朝時代の王家の別邸として、王家の保養所として使われただけでなく、中国の使者、冊封使(さっぽうし)の接待などにも多く利用された識名園。世界遺産に登録されたその大庭園は四季折々の魅力が味わえる癒しスポットなのです。
入口を抜けるとキジムナーがお出迎え?
首里城からも近いとはいえ、訪れるには車かバスがよいでしょう。世界遺産でありながら、比較的観光客も少なく、のんびりとその景観を味わいながら、ゆったりとくつろげるはずですよ。
入園料は大人400円、子供200円と安い! 庭園内は飲食物の持ち込みや喫煙は禁止。トイレもありませんので入園前に済ませてくださいね。入園料を払っていざ園内へ……
入場口から中へ入るとうっそうとしたジャングル地帯が拡がります。沖縄を代表するガジュマルやアカギ、デイゴなどといった草木がたくさん茂っています。沖縄の妖精「キジムナー」が住んでいそうな、幻想的でちょっと妖しい雰囲気に包まれます。
首里城から続いていた石畳の工夫とは?
しばらく曲がりくねった石畳の道が続きます。この石畳、かつては首里城から続いていた道。有名な金城町の石畳もその一部なんだとか。あえてS字型の道とした理由には、魔除けの意味と、この先の景観をもったいぶって見せないためであったともいわれています。訪れた人がこの石畳を抜けた先に広がる美しい景色を目にしたとき、その感動をより一層引き立たせる効果を持たせるためだったんですね。なるほど、石畳を抜けた先には見事な景観が拡がり、まさにオアシスにたどり着いたかのような感動が味わえましたよ~。
まさにチャンプルー庭園
目の前に広がった広大な池と趣のある橋や建物。その景観の美しさには目を見張るものがあります。ところでこの庭園、池を中心に周囲をめぐる庭園の造りは和風、橋や建物には中国風の様式を取り入れながら、随所に琉球独自の建築法を取り入れているといわれます。ここにも沖縄特有のチャンプルー文化が見られるのですね。
広大なこの敷地。園内の散策に必要な時間はおよそ20~30分といわれています。ゆったりと池の周りを歩き、時折吹く心地よい風を感じながら所々で佇んでいると、時間はまるで止まったかのよう。気が付けば結構な時間が経過していたのでびっくり!訪れる際には時間に余裕をもって、季節の草木を鑑賞しながら、のんびりとした気持ちで散策するのがお勧めです。
ちなみに……沖縄では小高いところならどこからでも海が見えたりするものです。ところが、この庭園は高台にありながら、なお園内の一番高いところから見渡してみても、決してどこにも海は望めないんだとか。その理由は?……訪れた中国の使者たちに「琉球は決して小さな国ではない」と思わせるために、あえて見えないように造ったんだそうですよ。
識名園近くの人気のパン屋は「なるほど」と唸らせる美味しさだった!
園を出ると、周辺に飲食店はあまり多くありません。そんな中、識名園からも歩いて1~2分の場所に、小ぢんまりしたお洒落なパン屋さんがあります。実はこのパン屋さん、最近巷で人気となっているようです。お客さんの途切れる隙を見計らって、ちょっと立ち寄ってみました。
こちらのお店、仲の良いご夫婦が営んでいます。三重県生まれ茨城育ちのご主人。パリのバゲットコンクールで3位に入賞した輝かしい経歴を引っさげて、「沖縄で店を構えたい!」というご夫婦共通の願いのもと、この地に出店したんだそうです。店内には何ともいえない甘く芳ばしい香りが……。パンのほかにも、それはそれは美味しそうなスイーツもたくさん。選ぶのに迷ってしまいます。
人気どころをたずねてみると、タマゴやミルクなど、地元食材にこだわったフレンチトーストやカレーパン、素朴な塩パンといったところが売れ筋なんだとか……。せっかくなので人気上位のカレーパンと塩パン、それに鮮やかな色彩が美味しそうに目を引いた沖縄ならではの紅イモデニッシュ、これら3個のパンをテイクアウト。
写真は紅イモデニッシュ(180円)。紅イモのクリームは甘さ控えめ。デニッシュ生地のパンはサクサクと何ともいえない軽やかさ。う~美味い!カレーパンや塩パンもなるほど、ふっくらもっちもち、そんじょそこらのパンとは一線を画する美味さで、人気商品であることが頷けます。ペロりと3個のパンを平らげちゃいました。このお店、つい先日も地元の新聞に取り上げられていて、識名園発となる新名物の土産スイーツ「識名園るうまんぺい(浪漫餅)」を開発したんだとか……。識名園を訪れる際には絶対に外せない名物となること、間違いなしでしょう。ホントに美味しいこのパン屋さん、イチ押しです!
識名園ではエイサーなど沖縄の伝統芸能の披露やお茶会などの行事がたびたび開かれます。最近はここで結婚式を挙げる県内外のカップルも多いようです。琉球衣装に身を包み、琉球古式の結婚式を執り行います。風光明媚な庭園で、よそでは決してできないウェディング。忘れられない一生の思い出となるのではないでしょうか。
〇識名園
4月1日~9月30日:午前9時~午後6時(入場締切 午後5時30分)
10月1日~3月31日:午前9時~午後5時30分 (入場締切 午後5時)
休園日 :毎週水曜日
沖縄県那覇市字真地421-7
<アクセス>
ゆいレール: 「首里駅」下車、タクシーで10分
バス:市内線2番(識名・開南線)、3番(松川新都心線)、5番(識名・牧志線)、14番(牧志開南循環線)にて「識名園前」バス停下車すぐ
〇ブーランジェリーパティスリー「ImaiPain いまいパン」
〒902-0072
沖縄県那覇市真地12-4
TEL/FAX:098-836-3008
定休日:月曜日、月1火曜日不定休
営業時間:7:30~19:30