中京工業地帯の要 四日市コンビナートを訪ねる

中京工業地帯の要 四日市コンビナートを訪ねる

記事更新日: 2016-02-19

中京工業地帯の要 四日市コンビナートを訪ねる

三重県の最大都市である四日市市は、愛知県から三重県にかけて広がる中京工業地帯の要。かつては「四日市ぜんそく」という公害の町として有名だった四日市市は、その後の公害対策で見事にクリーンな空気の町に生まれ変わりました。今回は三重県の四日市コンビナートを訪れ、日本の産業を支える港と町をじっくり見てみることにします。

中京工業地帯の要 四日市コンビナートを訪ねる

四日市港が一望できる四日市港ポートビル「うみてらす14」

三重県を南北に貫く産業道路「国道23号」からすぐのところにある、四日市港ポートビル。こちらのビルの最上階にある「うみてらす14」は、四日市港の歴史や現在の貿易の様子をわかりやすく紹介する展望展示室です。四日市港にひときわ高くそびえ立つビルですので、遠くからでもすぐ分かる、とても目立つ存在です。

中京工業地帯の要 四日市コンビナートを訪ねる

ビルに入るとさっそく四日市港の説明パネルがあります。

こちらのポートビルは、平成11年、四日市港開港100周年を記念して建てられました。四日市港管理組合が所有しており、13階と14階の間に大きな吹き抜けがあるのが特徴です。高さ100メートルは三重県内で最も高いビルとのこと。ビルの中にはオフィスや会議室、レストランなどがありますが、エントランスを入るとまずは「四日市港」の詳しい紹介パネルが目に入ります。各国との輸出入額や、貨物や原油の取扱量など、社会の資料集のようなデータがたくさん紹介されています。

このパネルで予習をしたら、さっそくエレベーターで14階の展望室に上がってみましょう。

中京工業地帯の要 四日市コンビナートを訪ねる

大型模型やナビゲーションシアターに子どもさんが釘付け

ポートビル14階の展望室は「うみてらす14」と名付けられています。四日市港の歴史などが学べるのですが、その展示物に子どもさんが興味をひくように工夫されているのが特徴です。特に四日市港を近代港湾にした功労者「稲葉三右衛門」について詳しく紹介されています。

港で働く人々の紹介、四日市港に入港するさまざま船の模型の展示などがとてもおもしろいです。石油コンビナートが有名な四日市港ですので、四日市港に入ってきた船からどのように石油を下ろすのか、という紹介はとても勉強になりますよ。

港の岸壁に石油タンカーを横付けするのではなく、港から6キロも離れたシーバースというところに着岸し、そこからパイプラインで陸地の石油基地に送っているのだそうです。このように大人も勉強になる情報がたくさん紹介されています。

また中央にあるナビゲーションシアターでは、マスコットのポルテ君が映像と模型で四日市港の案内をしてくれます。平日は1日3回、土曜は1日6回、日曜祝日は1日4回上映されます。

中京工業地帯の要 四日市コンビナートを訪ねる

四日市港が一望の展望ロビー

「うみてらす14」は4方向に展望ロビーが設けてあり、四日市港が一望できるようになっています。設置されている双眼鏡も無料で利用できますよ。北東には愛知県や名古屋市のビル群が、南東には中部国際空港や離発着する飛行機がご覧になれます。北西には御在所岳や鈴鹿山脈、養老産地の山々が見られ、南西には間近に四日市コンビナートが迫ります。

中京工業地帯の要 四日市コンビナートを訪ねる

しばらく見ていても飽きない風景

展望室の位置が地上90メートルにあるため、下の風景が小さすぎず絶妙な大きさで見られるのがこの「うみてらす14」の特徴です。コンテナを吊り上げるクレーンの様子、行き交うトラックなどのほか、働く人々の様子も小さいながらも確認できます。北東方向では天気がよければ、長野県の御嶽山までも見えるそうですよ。

中京工業地帯の要 四日市コンビナートを訪ねる

日曜でも休みなく働く四日市コンビナート

四日市コンビナートは日曜も操業しており、煙突や建物から上がる煙も見ることができますが、いちばんのおすすめは毎週土曜日に見られる夜景です。「うみてらす14」は、夏期の金曜日と通年土曜日に延長営業しており、夜景を見に来るカップルや家族連れなどが多く来館します。

この「うみてらす14」は、日本経済新聞の「工場夜景がきれいなスポット」ランキングで、西日本2位になったとのことで、コンビナートを照らし出す美しい夜景が見られる人気スポットとなっています。

展望ロビーからの夜景の撮影は、窓越しの撮影になるため室内照明の映り込みが気になるところですが、ここ「うみてらす14」では、無料で暗幕を貸してくれるサービスがあります。夕暮れのトワイライトタイムから、漆黒の闇に浮かぶ工場群のネオンまでじっくり見学する人も多いようですよ。

四日市港ポートビル「うみてらす14
入場料:大人300円 小中学生150円 小学生未満無料
開館時間:午前9時30分から午後5時まで 土曜は午後9時まで

ライター常盤兼成

この記事を書いた人 常盤兼成

他の記事を見る

小中学生に、勉強だけでなく旅の魅力も伝えている学習塾講師です。 乗り物も大好きなので、塾生の保護者様からの旅行の相談もよくあります。 知らない土地に行き、知らない人と会話をし、現地の食べ物をいただくという体験こそ旅の醍醐味です。みなさんにもたくさん旅の魅力を感じてほしいと思います。

follow!