この記事を書いた人 トリッパー編集部
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ペリーも賞讃?!見どころ満載な世界遺産「中城城跡」
記事更新日: 2016-04-21
旅行者にとって沖縄の城といえば、華やかな首里城のイメージが強いのですが、グスクの琉球石灰岩を積み上げた城壁の曲線美は芸術そのものです。今から約160年前の1853年にペリー提督一行が訪れ、その景観の美しさと石積み技法の素晴らしさを賞讃したとされる世界遺産「中城(なかぐすく)城跡」の魅力に迫ってみましょう。
14世紀中ごろに造営された名城
沖縄県中部に位置する中城城跡。標高160mの小高い丘に、6つの郭をもつ世界遺産のひとつです。沖縄県内には300余りの城(グスク)が存在しますが、中でも最も多くの遺溝が残されていることで知られています。入場料を払い、坂道を上ると寒緋桜(カンヒザクラ)が咲いていました。春ですね~。
ペリー提督一行と同じコースを歩いてみよう!
坂道を上りきると中城城に到着!右手に石造りのアーチ門が見えますが、これは裏門です。ペリー提督一行と同じ表門からアプローチするため、裏門は素通りし、外周道路を歩いて表門からグスクを散策してみましょう~。
こちらが表門です。石垣がせり出しハンタ道(公道)に続いています。裏門の方が立派に見えてしまいますが、表門はこの石垣の上に木造の櫓(やぐら)があったようです。どんな櫓だったのか見たかったなぁ…。残っていないのが残念です。
初代城主 先中城按司(さちなかぐすくあじ)が築いた四つの郭
14世紀後半、城主となった先中城按司(さちなかぐすくあじ)は、西の郭・南の郭・一の郭、二の郭の主要部分を何世代かにわたって築き上げました。
標高が最も高い一の郭にはかつて正殿があり、広々とした敷地内では、現在も発掘調査が行われています。
こちらは一の郭からの眺めです。目の前の中城湾の向こうに見えるのは南城市桟敷(さじき)です。桟敷には、沖縄本島最高の聖地でもある世界遺産の「斎場御嶽(せーふぁうたき」があり、その向こうには琉球王時代に神事が行われた神の島でもある「久高島」があります。晴れた日には、久高島まで見えそうですね~。
アーチ門を抜けると二の郭へ。美しさが際立つ曲線の石積みが印象的です。この石積みの技法は年代ごとに違いがあり、古い順から、野面積み(のづらつみ)、布積み(ぬのづみ)、相方積み(あいかたづみ)です。
一の郭と二の郭は、布積みの技法で造られています。布積みは長方形に加工した石を、高さをそろえて隙間なく積み上げる技法です。大きな石を積むことで強固に仕上がり、高さがそろっているので仕上がりも美しいですね。機械のない時代のこうした作業は、大変なことだったでしょうね。布積みは、加工された石が豆腐のような形をしていることから別名、豆腐積みとも呼ばれているそうです。
護佐丸(ごさまる)が造り上げた二つの郭
読谷にある座間味城の城主だった護佐丸(ござまる)は、王府の命を受けこの中城城に移り、三の郭と北の郭を造りました。不思議なことに、三の郭は二の郭と直接行き来ができない仕組みになっているのだそうです。なぜそういった造りになっているのか?三の郭がどんな役割をしていたのか?いまだに解明されていないようです。
三の郭と北の郭は、当時としては最新の相方積みで築かれています。相方積みとは石を多角形に加工し、石が互いに噛みあうように積み上げます。強度と耐久性に優れているそうですが、パズルのように複雑です。それにもかかわらず、この優美な曲線に仕上げるなんてすばらしい。体力だけではなく、知力も必要ですね~。
濃いピンク色をしたカンヒザクラに加え、鳥の鳴き声もあちらこちらから聞こえ、ひと足早い春を中城城で実感できました。高台に広がる六つの郭と八つの拝所を持つ見応えのあるグスクは見応えありですよ。ここ最近では、プロジェクションマッピングや音楽アーティストのライブ、ヨガなどのイベントが行われているようです。旅行日程をイベントに合わせて訪れてもいいですね~。
【基本情報】
中城城跡
住所:沖縄県中頭郡中城村泊1258番地
アクセス:那覇空港より沖縄自動車道経由 北中城IC or 西原IC 約30分
観覧時間:8:30~17:00(5月~9月 18:00)
料金:大人400円、中高生300円、小学生200円 ※団体料金有り
駐車場:無料