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日本のカッパドキア!『吉見百穴』は江戸時代の不思議な穴
記事更新日: 2016-03-10
江戸時代には“不思議な穴”、明治時代には“小人の住居”、そして今“日本のカッパドキア”と呼ばれているのが埼玉県吉見町にある『吉見百穴』。その正体は古墳時代後期の横穴古墳群の遺跡で、現在は国の史跡に指定されています。日本のカッパドキア『吉見百穴』、その知られざる見どころをご案内します。
百穴を見よう
大正12年に国の史跡に指定された『吉見百穴』は、比較的掘りやすい凝灰質砂岩と呼ばれる岩盤であったことから古代人はここに横穴墓を作ったと考えられています。様々な説があったのですが、明治20年に発掘調査が行われて出土品から「古墳時代の死者を埋葬する墓穴」というのが定説となったのです。
現在、直径約1メートル、奥行き2~3メートルの横穴が200基以上あると云われており、中には、実際に入れる穴もあり死者を安置した場所を見ることができます。
百穴を感じよう
直径約1メートルの横穴墓以外にひと際大きな洞窟のような穴は、太平洋戦争中、中島飛行機の地下軍需工場建設のためのトンネルです。直径約3メートルほどのトンネルが碁盤の目状に掘られ、出入り口として3か所の坑口が掘り出されたのです。現在、軍用トンネルの奥は危険なため鉄柵でふさがれています。
夏の時期には涼風が噴き出すことがあり、《彩の国クールスポット100選》に選ばれている“ひんやり”スポットでもあるのです。
百穴を知ろう
200基以上の横穴墓の中の岩山の下の方に“ヒカリゴケ”が自生している穴があります。
ヒカリゴケとは、文字通り洞窟のような暗所でエメラルド色に光るコケで、本州の中部地方以北の冷涼な地域に分布しています。関東平野におけるヒカリゴケの自生地は大変珍しく、ここのヒカリゴケは国の天然記念物に指定されています。
百穴から眺めよう
岩山の階段を上って頂上に行くことができます。頂上からは吉見町や東松山市の光景が一望でき、晴れた日には遠く富士山を見ることもできます。百穴見学で疲れたら頂上にあるカフェで一休みするのも良いでしょう。
百穴で食べよう
岩山の下にはお土産屋がありますが、その中で特におススメが埼玉県銘菓の『五家宝』。もち米を水飴で固めたおこしのような和菓子。歯ごたえが独特でとても柔らかく、きな粉をたっぷりとまぶしてあるのが特徴で埼玉県熊谷市の銘菓としても知られています。
しかし、『五家宝』が有名になった、最も大きなきっかけは、あるTV番組できゃりーぱみゅぱみゅさんが大好きなお菓子として紹介したことにあるのです。
最後に…
日本のカッパドキア『吉見百穴』はいかがでしたか。見所の多い史跡ですが、かつては仮面ライダー等の悪の秘密基地としてロケ地にもなった場所です。
周辺にも観光名所がありますので、一度足を運んでみてはいかがですか。