この記事を書いた人 トリッパー編集部
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命をつなぎ歴史を紡ぐやくすぎの森 いざ、標高 1000m の太古の森へ
記事更新日: 2016-04-21
ヤクスギランド一押しのやくすぎの森コース
鹿児島県大隅半島の南南西約 60km の海上に位置し、標高 1936m の宮之浦岳を主峰とした急峻な地形のため洋上のアルプスと呼ばれる屋久島。 美しい自然が残された島の 90% が森林、島の面積の 21% が 1993 年世界遺産に登録されました。
そんな屋久島をじっくり味わえるトレッキングは人気アクティビティ。有名スポットは幾つかありますが、今回ご紹介するのは、ヤクスギランド(標高 1000 ~ 1300m )。ヤクスギランドには 4 コースあります。
ふれあいの路 30 分(約 0.8 km )コース・いにしえの森 50 分(約 1.2 km )コースは、道も整備され気軽に行ける観光スポットとして周知されています。つつじ河原 80 分(約 2.0 km )コースは、登山道なので準備が必要ですが、時間に余裕がない時でも利用しやすいコースです。
そして一押しのやくすぎの森 150 分(約 3.0 km )コース。いにしえの知恵と歴史を感じる本格派コースです。まだまだ知られていないやくすぎの森コースの魅力をピックアップします。
コース内に現れる仏陀杉。どんな説法が聞けるのか
やくすぎの森コースの入口は原生林の森の中
歴史ある巨木だけでなく、くぐり杉やひげ長老などゆかいな名を持つ屋久杉も多く、生命あふれる豊かな「やくすぎの森」。コースの醍醐味、森の魅力を大きく 3 つにまとめてみました。
【いきなり広がる原生林の森】
有名コースの入口は標高 600m あたりから始まり、標高 1000m に到達するには約 8km 程歩きますが、ヤクスギランドは標高 1000m がスタート地点。入口から原生林が目の前に広がる森です。
【巨木の森】
樹齢 1000 年を超えないと「屋久杉」と呼びませんが、ここには樹齢 1000 年以上の天柱杉・母子杉・仏陀杉などの巨木が多くあります。その名の通り「やくすぎの森」は観察にふさわしい森です。
【歴史の変遷を感じる森】
屋久杉伐採は、藩政時代と昭和 30 年代に大量に行われました。伐採後の試し切りされた木、切り株、土埋木、更新現象などを見ることができます。歴史的背景に思いをはせながら江戸の森を味わえます。
五感をフルに活用しながら原生林豊かな森をゆっくり歩きましょう。
世代交代をして生命を受け継ぐ倒木更新現象
自分だけのオリジナルコースをガイドさんとともに
充実したトレッキングを望むなら、専門のガイドさんと一緒に回ることがポイント。屋久島の歴史はもちろん、知恵や知識、雑談も巧みなガイドさんの話は楽しい思い出になります。森の呼吸に合わせ、ゆったりと散策すると、6時間に及ぶこともあるそうです。ガイドさんが一緒だと、時間の許す範囲で自由に進めるのも特別感があります。
時間と体力に余裕のある方は、少し足を延ばして天文の森へ行ってみるのはいかがでしょう。ひっそり佇む釈迦杉に会えます。
ガイドさんをお探しのときは、観光協会へ問い合わせるのが確実です。 2016 年 4 月から屋久島町公認ガイド制度が施行されます。資格を持ったプロのガイドさんを紹介してくれるので安心ですね。
サバすき
つけ揚げ
トビウオの姿揚げ
屋久鹿たたき
首折れサバ
水ノ森
屋久島三大特産品と島内限定芋焼酎
心を満たした後は、お腹を屋久島三大特産品(屋久サバ・トビウオ・ヤクシカ肉)で満たしましょう。
釣ってすぐに首を折り血抜きをして鮮度を保つことから「首折れサバ」の異名を持つ屋久サバ。お刺身で食べると鮮度を実感できます。燻製にしたサバ節は醤油やマヨネーズを付ける食べ方が人気で、お土産にもおすすめです。
トビウオは、コリコリとした食感の刺身やヒレまで食べられる丸ごと唐揚げが定番メニュー。
森で見かけるヤクシカですが、近年では年間 2500 頭余りを駆除するという事態になっています。そこで考案された鹿肉料理が焼肉や鹿刺しです。新しくシカ肉カレーも仲間入りしました。
女性の杜氏さんが屋久島にこだわり作りあげた、島内限定の芋焼酎「水ノ森」をお供に、ご堪能ください。
緑深きやくすぎの森を目で、屋久島の三大特産品を舌で味わえる、心と体を満たせる場所へ出かけてみませんか。
いにしえの森へ新たな発見をしに行きましょう。