琉球王朝時代の歴史を感じて 公共交通機関で本島南部の史跡をめぐる1泊2日コース

琉球王朝時代の歴史を感じて 公共交通機関で本島南部の史跡をめぐる1泊2日コース

記事作成日: 2015-07-24

首里城

見どころいっぱいの沖縄の旅。豊かな自然や美味しい食べ物、戦争の傷跡、何より美しく澄んだ海にどうしても目が行きがちですが、中世の琉球王国の歴史を感じさせるスポットも外せません。そこで今回は、こうした史跡をめぐるコースを組んでみました。
琉球王国は1429年、尚氏により統一された海洋貿易国です。その範囲は中国・朝鮮半島・日本はもちろん、遠く東南アジアまで広がっており、首都である首里には壮麗な城が築かれました。古来よりの祖霊崇拝も続けて大切にされ、聞得大君を頂点とする神女制度や各地の御獄と呼ばれる聖地を信仰していました。
また統一前には「グスク時代」と呼ばれる期間があり、本島各地の有力者は石造りの堅固な城塞を建設しました。こうした琉球王国やそれ以前の史跡は、戦争により破壊されてしまった部分がありますが、現存するものを保存・修復し、史料に基づき復元され、まとめて世界遺産に登録されています。
レンタカーを借りれば1日でまわれるかもしれませんが、充実している沖縄本島のバス路線をフル活用して、島内の景色をのんびり見ながらの旅もオツなものです。1泊2日の時間をかけて、本島中南部の「琉球」をしっかり味わってくださいね。

 

モデルコース

1 沖縄県立博物館・美術館

 見学所要時間:1時間(9:00~10:00)
沖縄の歴史を知るためにはまずここから。海と島という視点から、沖縄諸島の歴史を紹介しています。
実はたくさん見つかっている化石や、1万8千年前に住んでいた港川人、グスク時代以前の貝塚時代の生活、琉球王国時代の貿易の様子などを一連の展示でわかりやすく展示。
また考古、自然、民俗といったジャンル別の常設展示も行われています。琉球王家の宝物も保管されています。
年間5回程度行われる企画・特別展示では、化石人骨から鮮やかなうちくい(風呂敷のこと)まで様々な内容が楽しめます。
隣接する美術館では、戦前からの沖縄絵画・工芸を見学できます。両館ともじっくり見学したい場合は、倍の時間を取っても良いでしょうね。
料金は大人410円、開館時間は9:00~18:00、金・土曜日は20:00まで見学できます。

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電車8分

備考:ゆいレールで8分 首里下車

2 首里城

 見学所要時間:2時間(10:30~12:30)+ランチ:1時間(12:30~13:30)
琉球王国の首府として造られた王城で、当時は和風、中国風の2種類が融合したデザインだったそうです。15世紀の統一以前にもグスクが造られており、その後尚氏が整備しました。
琉球処分、第二次世界大戦、琉球大学建設で当時の建物は残っていませんが、戦前まであった正殿や史料、考古学的成果から復元が行われており、1992年には首里城公園として生まれ変わりました。
なお世界遺産に指定されているのは復元された地上部分ではなく、地中に保存されている当時の構造物です。
個人でまわってもじゅうぶん興味深い施設ですが、日に6回行われている無料ガイド(所要時間50分)の解説を聞く事をおすすめします。
当時の建物と文化を見学するだけでなく、三線体験、伝統菓子、琉球舞踊見学ができ、中秋の宴や百人御物参といった王国行事の再現イベントも行われます。
レストランとお土産屋も充実しており、1日安心して遊べる施設です。

首里城

徒歩15分

3 玉陵

見学所要時間:30分(13:45~14:45)
首里城公園内の西側にある歴代国王及び王室の陵墓で、2000㎡以上の広さを持つ沖縄最大の破風墓(破風を持った屋根のある建物のような墓)です。
全て石造りで前門と後門、前庭、東室・中室・西室からなり、葬儀の手順(洗骨・再葬)に合わせて使用されました。こうした造りと広さは宮殿に見立てているためで、中庭には珊瑚を敷き詰めるという豪奢なものです。戦争で大きく傷つきましたが、3年の月日をかけて修復されました。
玉陵入口に建つ奉円館では、チケット・ガイドブック等刊行物を販売するほか、地下1階は資料展示室となっており、玉陵の概要や内部の様子を知る事ができます。
入場料は大人300円、見学時間は9:00~18:00で年中無休です。

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バス40分

備考:首里高校前バス停で46番バスに乗り10分 安里バス停で56番に乗り換え30分 前田西入口下車

4 浦添城跡・浦添ようどれ

見学所要時間:1時間(16:00~17:00)
琉球王国の直前の三山時代、中山王国の中心だったのが浦添城です。
中山王国は貿易で栄え、約200年の間に城は拡張を続け最終的な広さは20000㎡以上。琉球王国建国以後も城塞として機能しましたが、1609年の薩摩軍侵攻時に石垣を残し焼失しました。地の利に優れた城跡であったため、沖縄戦でも日本軍の重要防衛戦として使われ、多数の砲撃を受けましたが、現在は発掘調査や復元事業が進められています。石垣の上からは宜野湾一帯が一望できます。
浦添ようどれは浦添城跡の東側にあります。「ようどれ」とは琉球方言で「夕凪」の事であの世を指す言葉です。中山王国時代に造られ、その後17世紀からは尚氏の王陵として使われました。東室・西室、二ヶ所の庭、「暗しん御門」などの門と石牆(石でできた塀)から成り、西室には中山王国王の英祖、東室には琉球王国の尚寧王が葬られています。暗しん御門に漂う独特の雰囲気は神秘的です。
浦添城と浦添ようどれの間は木道が整備され散策しやすくなっています。
浦添城跡前には「浦添グスクようどれ館」があり、遺物展示やようどれ内部の解説が行われています。
見学可能時間は9:00~17:00です。

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バス35分

備考:前田西入口バス停で56番バスに乗り35分 旭橋下車

5 那覇市内宿

1日目の観光は終了です。 国際通りなどで買い物や食事を楽しみましょう!

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バス1時間

備考:那覇バスセンターで38番バスに乗り1時間 斎場御獄前下車

6 斎場御獄

見学所要時間:1時間30分(9:00~10:30)
琉球王国で最高の御嶽(神が降臨・来訪する場所で祭祀を行う聖地)であり、最高の神女である聞得大君が管理し、神に使える神女しかおらず男子禁制でした。
現在でも男性が足を踏み入れていけない場所があり、また祈りを捧げるために訪れる方々もいます。そうした状況を説明するため、まず緑の館・セーファで学んでから入るようになっています。
琉球王国は祭政一致が行われており、聞得大君は国王が王族の中から選び、国王と国土を霊的に守護する役目を負いました。選ばれた女性は斎場御獄で「御新下り」という神婚儀礼を行うと神の力を宿すとされました。
周囲の森林も貴重なもので、何と沖縄戦の時の戦火を免れた昔から続くものです。世界遺産に指定された近年はこの森や通路の石組みが観光客の多さにダメージを受けており、保護を目的に春と秋の2回に休息日を設けています。

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バス30分

備考:斎場御獄前バス停で38番バスに乗り10分 志喜谷バス停で53番に乗り換え10分 玉城下車 徒歩10分

7 玉城城跡

見学所要時間:1時間(11:30~12:30)
琉球開闢の女神「アマミキヨ」が造ったとの伝説が残る城跡です。沖縄戦による破壊が激しく正確な年代は不明ですが、古い時代のグスクの特徴を持っており、13世紀頃は中山王国の城でした。主郭、二の郭、三の郭が造られ、現存するのは主郭部分のみです。主格の城門は自然石をくり抜いて造った迫力あるもので、また城壁も当時の姿のまま残っています。
琉球王国で行われた東御廻りという巡礼儀式では最後にめぐる聖地であり、城の規模や造りも他と比べて小振りなことから、城塞よりは祭祀的性格が強い施設だったのではと考えられています。
整備中の史跡で足場があまり良くありませんので、スニーカーなど足元がしっかりした格好をおすすめします。入場は無料、見学時間の設定はありません。

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バス90分

備考:玉城バス停で53番バスに乗り40分 国場バス停で30番バスに乗り換え30分 中城小学校前下車 徒歩20分

8 中城城

見学所要時間:2時間(14:30~16:30)
沖縄に残る300ものグスクの中で最も原型を留めており、グスクの構造を知るのにはこの中城城跡に来るのがいちばん。美しい曲線を造り出している石垣は必見です。
規模も大きく、標高約160mの高台に、東西に長い形で14000㎡以上の広さを誇ります。築城は14世紀後半頃と考えられており、琉球王国建国時にはかの護佐丸盛春が増改築を行い現在の形となりました。
城内は一~三、北、西、南の郭と六区画に分かれており、三の郭と北の郭は護佐丸が増築した部分で石積みの方法も当時最も進んでいた相方積みを用いています。
他に正門、裏門、大井戸、鍛冶跡、拝殿と見どころが多いです。城内は見学しやすいよう綺麗に整備されていますが上り坂や階段が多く、歩きやすい服装がおすすめです。その分城郭部分からの中城湾の眺望は最高です。
入場料は大人400円、見学時間は9:00~17:00(夏期は~18:00)です。

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ayamocha

この記事を書いた人 ayamocha

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旅が好き&出張の多い仕事のため、国内あちこちに出没しています。たまに海外へも行きます。目下の目標は47都道府県全てを訪れることです(あと2県!)。最近は御朱印集めにもハマっています。各地の楽しい情報をみなさまにお届けしていきます。

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