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屋久島1周ドライブ!1日で周れる?モデルコース紹介
記事作成日: 2018-06-12
屋久島の観光スポットと言えば、悠久の時を超えて生きる巨大な縄文杉が有名ですが、それ以外にも島内には多くの人気スポットがあります。島を囲む綺麗な海を眺めながらドライブし、そうしたスポットを観光するのも楽しいものです。
屋久島はそれほど大きな島ではありませんから、旅行中の1日を使えば、簡単に島内1周ができます。ドライブの計画を立てるための参考として、実際の旅行で使用したコースをご紹介します。
目次
屋久島1周は何km?
屋久島の外周部にある道路を1周した際の走行距離は、およそ100kmです。車で普通に走っていれば、約3時間ほどで出発地点に戻れます。もし朝の8時に出発し、夕方の17時頃まで約9時間観光をするなら、そこから「島内1周に必要な移動時間(約3時間)」と「昼食の時間(30~60分)」を除いた5時間以上を自由に使えることになります。大部分の観光スポットは外周道路の近くにあるため、追加の移動時間は少なく、たった1日でも多くのスポットを訪れ、観光することができます。
例外は紀元杉やヤクスギランドで、これらのスポットに行く場合は(安房地区で)一度外周道路を離れて、島の内側に向かい、またもとの場所に戻る必要があります。この移動だけで、安房地区から紀元杉までの往復には約2時間、手前のヤクスギランドで引き返しても約80分を消費するため、この2ヶ所を入れるか入れないかがドライブコース作りの大きなポイントとなります。
屋久島1周モデルコース
以前の屋久島旅行で走った、島内1周コースをご紹介します。
進行方向は時計回りで、スタート地点は屋久島全体を時計に見立てた時、「1」の辺りにある宮之浦地区です。軽く景観を楽しみたいスポットでは10~20分、(ヤクスギランドのように)じっくりと散策や見学をしたいスポットでは30~50分ほど観光しています。
まずは宮之浦地区をレンタカーで出発し、屋久島空港をすぎて安房地区へ。ここは時計の「3」の辺りです。
この安房地区で外周道路から離れ、島の内側へと向かいます。
屋久杉記念館
島の内側への道で最初に見つかるのは、「屋久杉記念館」です。漠然と見ても、その大きさや生命力に驚かされる屋久杉ですが、この記念館で軽く学んでから見れば、感動がさらに深まります。
館内には、大雪によって折れてしまった縄文杉の枝も展示されています。直接触れることもできる、「いのちの枝」と名付けられたこの枝は、「縄文杉のパワーを手軽に感じられる」と人気になっています。およそ千年もの間、縄文杉と共にあったという大きな枝からは、地に落ちた今も荘厳な雰囲気が感じられます。屋久島の地理や歴史についての情報もあるため、旅の始まりにおすすめのスポットです。
ヤクスギランド
アトラクション満載のテーマパークを思わせる名前ですが、「ヤクスギランド」の実態は、複数の散策コースが用意された静かな林です。エリア内には、さまざまな興味深い屋久杉があり、じっくりと見て回る最長コースは想定時間が約150分となっています。
島内1周観光をする場合は、入口周辺の目玉「千年杉」を見て引き返す30分コースや、疲れすぎない程度の散策が楽しめる50分コースがおすすめですが、比較的奥の方まで行くことができ、いくつもの変わった屋久杉に出会える80分コースも魅力があります。
今回は50分コースを選びましたが、他のスポット(たとえば、この先の「紀元杉」など)を減らせば、ここで80分コースを選んでも大丈夫です。
紀元杉
樹齢3,000年と言われている「紀元杉」は、ヤクスギランドのさらに先に立っています。車の中から窓越しに見られる屋久杉は、島内にこの1本しかありません。もちろん車から降りれば、すぐそばから眺めることもできます。
紀元杉の上部は落雷により失われていますが、それでも全高は20m近くあります。6~7階建てのマンションをイメージするとわかりやすいのですが、まさに見上げるような巨木です。すっかり生気が失われてしまった上部から視線を下ろしてくると、根元の方にはまだまだ生命力があふれていることに気づき、驚かされます。
縄文杉に比べると、見学のための苦労がはるかに少ないため、とても人気のある観光スポットですが、標高1,230mの高地ということで、走りにくい山道を進むことになります。運転には、くれぐれもご注意ください。
紀元杉見学の後は、約1時間かけて今来た道を逆にたどり、安房地区へと戻ります。
ここから再び、島の外周を走る旅が始まるわけですが、紀元杉までの往復2時間+3ヶ所での観光により、安房に到着する頃には、そろそろお腹の空き始める時間になっているはずです。
この先の移動中に、ちょっとした食事ができる場所や売店などを探しても良かったのですが、今回は安房で昼食をすませてから旅を再開しました。
千尋の滝
次の目的地となる「千尋(せんぴろ)の滝」も、すこしだけ外周道路から離れた位置にあるのですが、ヤクスギランドほど奥に入らずにすむため、比較的立ち寄りやすいスポットです。
約60mの落差があり、雨の後には豪快な光景を見せてくれる滝そのものの素晴らしさもさることながら、巨大な岩盤と緑の木々が組み合わさることで生まれる、まるで絵画のような光景にも目を奪われてしまいます。この滝の下流には、「竜神の滝」と「トローキの滝」という小さな滝もあります。特に「トローキの滝」は海に流れ込むタイプの珍しい滝ですから、余裕があればぜひ立ち寄ってみましょう。
平内海中温泉
海辺の温泉は珍しくありませんが、「平内(ひらうち)海中温泉」は、その名のとおり海の中から湧き出ている温泉です。そして、潮が満ちると海の中に沈んでしまう、本当の意味での「海中」温泉でもあります(※入浴できるのは潮が引いている時だけです)。「混浴・脱衣所無し・水着着用不可」とハードルが高く、さらに近年は観光地化が進んでいるため、入浴するのは厳しいですが、ユニークな温泉ですから、写真撮影のために寄ってみてはいかがでしょう。
時間に余裕があり、入浴したい場合は、600~700mほど先の「湯泊(ゆどまり)温泉」という選択肢もあります。こちらは脱衣場こそ無いものの、男湯・女湯の簡単な区切りがあり、潮の状態を気にせずに入浴ができます。
大川の滝
「大川(おおこ)の滝」があるのは、時計の「8」の辺り。「1」の宮之浦から、島を半周以上したことになります。千尋の滝は、周囲を含めた雄大な景色が自慢でしたが、大川の滝には「滝壺の下まで行ける」という大きな魅力があります。しかも、水量・規模は島内最大。非常にダイナミックな滝の姿を、すぐそばで見ることができるわけです。
近づけば、当然のように水しぶきを浴びることになりますが、暑い夏には、それもまた楽しみとなります。むしろ、88mの落差が生み出す滝のパワーを受け取るぐらいの気持ちで浴びてしまいましょう。
この滝の近くには、「大川湧水(おおこゆうすい)」という名水も湧き出ています。残り時間と相談しながら、そちらにも立ち寄るかどうかを決めましょう。
西部林道
外周道路の西側には、「西部林道」と呼ばれる区間があります。その中の、瀬切大橋から屋久島灯台の辺りまでの部分は、世界遺産の登録エリアに含まれている、外周部ではひときわ自然が豊かな所です。
日本の世界遺産の一つとして知られている屋久島ですが、登録エリアの大部分は、縄文杉や宮之浦岳などのある内周部となっています。そうした場所とは違い、ここは車で簡単に、しかも島内一周のついでに通ることができます。
大規模な道路工事が行われていないため、走りやすいとは言いづらい道ですが、美しい景観が心をなごませてくれます。タイミングが良ければ、ヤクザルやヤクシカに出会うこともできるでしょう。
いなか浜
「いなか浜」は、西部林道の先の永田地区にある、美しい砂浜です。ここは日本一とも言われるウミガメの産卵地で、多くのウミガメが産卵のために訪れる時期には、その様子を見学するツアーも開催されるほど人気のある場所です。
残念なことに、島内一周観光をしている時間帯にはウミガメの産卵を見ることはできませんが、白い砂浜を眺めていると、その光景が想像できるかもしれません。また、いなか浜は、海に沈む夕日の美しさでも絶賛されているスポットです。
今回はやや駆け足で観光したため、16時になる前に到着しましたが、時間をうまく調整して、ここで夕日を見るのもおすすめです。道幅に難のある西部林道を、まだ明るいうちに抜けてしまいたい場合は、西部林道の終わりにある屋久島灯台に立ち寄るのもおすすめです。
志戸子ガジュマル園
順調に観光をしていくと、おそらく17時頃に宮之浦に帰れるはずです。17時をすぎてしまいそうな場合には、そのまま帰ってしまっても良いのですが、もし時間に余裕があるなら、最後に「志戸子(しどこ)ガジュマル園」に寄ってみてはいかがでしょう。
園内で見られる大きなガジュマルは、なかなかの迫力です。さすがに屋久杉にはかないませんが、中には樹齢500年以上とも言われる巨木もあります。太い気根が複雑に絡み合う、ジャングルのような風景の中で撮った1枚は、楽しく見返せる記念写真になるはずです。
園内1周に必要な時間も20分前後とそれほど長くなく、ベンチも用意されているため、1日の締めくくりににのんびりと歩くのにちょうど良いスポットです。
※本記事内の情報は、すべて2018年6月時点のものです。