この記事を書いた人 トリッパー編集部
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久米島の特産品を知ろう!
記事作成日: 2015-09-15
久米島には「米」という漢字が使われていますが、これは水が豊富な久米島が、昔から米所として知られていたためです。
残念ながら、減反政策などにより米は作られなくなってしまいましたが、現在の久米島にはそれに負けない多くの特産品があります。
プチプチとした食感が楽しい海ぶどうや、深い味わいの泡盛、日本一の生産量を誇る車エビ、そして海からもたらされる海洋深層水。
これら久米島の特産品について、簡単にご説明します。
車エビ
エビの中でも、姿では伊勢エビが最高と言われ、味に関しては車エビが一番と言われています。
その味の良さから高級料理店などでも使われることの多い車エビですが、他の魚などと違い、天然ものと養殖ものの差がほとんど無いという特徴があります。
ですがその分、車エビの養殖には高度な技術が必要となります。
その車エビの生産量日本一を誇るのが久米島です。
久米島には海洋深層水を利用して育てた稚エビ(種苗)を供給する「種苗供給センター」があり、これにより久米島各地の養殖場は安定した車エビの生産を行うことができるのです。
今は日本全国どこでも、自宅にいながらにして通信販売で各地の特産品を手に入れることができるようになりました。この久米島の車エビも例外ではありませんが、実際に久米島を訪れて車エビを購入したい、という方も多いでしょう。
久米島では毎年11月に「久米島車エビフェスタ」、12月に「久米島産業まつり」という新鮮な車エビを格安で購入できるイベントが行われています。
久米島産業まつりでは、車エビはあくまでも「久米島の特産品の一つ」という扱いになるため、車エビにこだわる場合には車エビフェスタの方がオススメです。
一方、他の特産品も気になる場合には、久米島産業まつりの方がお得です。
海ぶどう
海ぶどう イメージ
一般に海ぶどうと呼ばれている「クビレズタ(1999年までの表記はクビレヅタ)」は、とても小さなぶどうを思わせる形をした海藻で、「グリーンキャビア」と呼ばれることもあります。
基本的には生のまま、刺身のように醤油などをつけて食べるものですが、イクラ丼のようにご飯に乗せて「海ぶどう丼」にしたり、そばなどに乗せて食べたりと、アイデア次第でいろいろな食べ方ができます。
ビタミンKやヨウ素などを多く含む一方、海藻ですからカロリーは100gあたり4kcalと大変ヘルシーな点も人気です。
この海ぶどうを育てる際には水が重要な要素となりますが、久米島の海ぶどうの養殖には海洋深層水が使われていますから、そこに含まれるミネラルをたっぷりと吸収しています。他の地域の海ぶどうに比べ、よりプリプリとした食感が魅力です。
また、10月から4月頃までの時期に限られる天然ものと違い、この海洋深層水の水温や水質の管理を徹底することで一年中出荷ができるようになっています。
養殖場の見学も可能ですから、興味をもたれた方は足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
久米島海洋深層水
海洋深層水 イメージ
海洋深層水とは、海の深い所にある水のことです。
具体的には水深200mよりも深い地点にある水のことで、ここまで来ると太陽の光が届かないため、プランクトンが光合成できなくなり、本来はそれで消費されてしまう無機栄養塩類(チッ素やケイ素など)が豊富に残されています。
また、表層の水のように人間の流した化学物資などに汚染されることが無く、プランクトンが育たないことで雑菌も少なくなっています。
さらに、常に水温や水質が安定している、という特徴もあります。
こうしたことから、海洋深層水は化粧品や入浴剤、飲料水やアルコール飲料など、さまざまな商品に利用されています。
久米島の場合、海洋深層水は水深612mというとても深い地点から取られています。
この水は飲料水として販売される以外にも、車エビや海ぶどうの養殖場などの島内の各種産業で利用されたり、温浴療法施設「バーデハウス」などに送られたりしています。
さらに、2013年からは久米島にある「沖縄県海洋深層水研究所」の海洋温度差発電施設で実証実験が始まりました。
久米島の海洋深層水は、人間やさまざまな農水産物に欠かせない水分として、さらにクリーンなエネルギーを生み出す源として、島にさまざまな恵みをもたらす、まさに命の水と言えるでしょう。
久米島の久米仙
久米仙イメージ
久米仙は久米島で泡盛を生産している酒造所であり、またその代表的な泡盛の名前でもあります。
あえて「久米島の」と付けているのは、那覇市にも「久米仙」を生産している久米仙酒造があるためです。知らなければ同じ酒と勘違いしてしまいますから、注意が必要です。
ここでは、単純に久米島の泡盛を「久米仙」と呼びます。
この久米仙は久米島の中でも名水とされる湧き水や、焼物の里と言われる読谷村の南蛮荒焼甕を利用し、熟練の職人がじっくりと造り上げた高品質な泡盛です。
久米仙という名前から、「久米の仙人」を思い浮かべる方もいるかもしれません。確かに久米仙の名前は仙人の伝説から来ているのですが、「久米の仙人」とは関係ありません。
あちらは奈良県の久米寺の話ですが、こちらは久米島に伝わる伝説です。
かつて、名水で知られる堂井(ドーガー)には、夕暮れになると美女が現れ、若者たちに素晴らしい酒を振る舞いました。
人々はこれを宇江城山の仙人の仕業だと信じたのですが、この「酒と人を愛した仙人」の心を今に伝えるのが久米仙です。
一口飲めば、その中に溶けた想いと長い歴史を感じることができるでしょう。
いかがでしたか?ぜひ、久米島旅行の参考にしてみてください。